セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(臨床2)

タイトル 消P-392:

ダブルバルーン小腸内視鏡検査時の放射線被爆線量の測定

演者 名倉 明日香(名古屋大附属病院・光学医療診療部)
共同演者 大宮 直木(名古屋大大学院・消化器内科学), 中村 正直(名古屋大大学院・消化器内科学), 水谷 太郎(名古屋大大学院・消化器内科学), 山村 健史(名古屋大大学院・消化器内科学), 石原 誠(名古屋大大学院・消化器内科学), 山田 弘志(名古屋大大学院・消化器内科学), 吉村 透(名古屋大大学院・消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 大野 栄三郎(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 宮原 良二(名古屋大大学院・消化器内科学), 川嶋 啓揮(名古屋大大学院・消化器内科学), 伊藤 彰浩(名古屋大大学院・消化器内科学), 廣岡 芳樹(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 渡辺 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 安藤 貴文(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大附属病院・光学医療診療部DELIMITER名古屋大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】ダブルバルーン内視鏡(DBE)の開発により小腸疾患の診断,治療はめざましく進歩した.DBEは放射線透視下で検査を行うことが多いが,放射線被爆線量を測定した報告はないため,今回DBE時の放射線被爆線量につき検討した.【方法】対象は2006年5月から2008年7月までに当院でDBEを行った415例(重複あり).経口的DBEは190件(観察125件,治療65件),経肛門的DBEは225件(観察189件,治療36件).人体ファントム線量計測システムを用いて臓器線量を計測し,算出されたデータをもとにDBE検査時における小腸への被爆線量を計測した.【結果】経口的DBEにおける平均透視時間は観察4.7±7.3分,治療7.2±13.2分であり,平均透視・撮影線量合計値は観察36.4±55.2mGy,治療52.7±98.8mGy.経肛門的DBEにおける平均透視時間は観察5.9±6.0分,治療12.8±12.7分であり,平均透視・撮影線量合計値は観察45.4±46.0mGy,治療96.9±94.8mGy.観察より治療の方が線量被爆は有意に多かったが(P<.0001),経口・経肛門の挿入ルートに有意差はなかった.DBE下治療は止血術が33例,内視鏡下バルーン拡張術(EBD)は27件,内視鏡的粘膜切除術(EMR)が22件.平均透視線量はそれぞれ2.0±1.4分,16.0±11.9分,2.2±1.3分,平均透視・撮影線量合計値は15.5±10.8mGy,121.9±89.3mGy,16.7±10.3mGyであり,EBDが最も多かった.EBD27件のうち23件(85%)がクローン病であった.【結論】DBE検査時の放射線被曝線量はEBDが最も多く,特にクローン病患者は若年で複数回EBDを行う必要性があるため,透視時間の短縮,撮影枚数の減少に心がける必要がある.
索引用語 小腸, 放射線線量