セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
小腸(臨床2)
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タイトル |
消P-393:当院におけるpillcam®パテンシーカプセルの使用経験
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演者 |
新井 修(倉敷成人病センター・肝臓病治療センター) |
共同演者 |
柴田 憲邦(倉敷成人病センター・肝臓病治療センター), 奥山 俊彦(倉敷成人病センター・内科), 久保木 眞(倉敷成人病センター・肝臓病治療センター), 池田 弘(倉敷成人病センター・肝臓病治療センター), 大元 謙治(倉敷成人病センター・肝臓病治療センター) |
抄録 |
【目的】当院におけるpillcam®SB2plusによる小腸カプセル内視鏡検査(VCE)の現状につき検討した.【方法】2012年7月から2013年3月までにパテンシーカプセルを内服した25例のうち,内服不能例1例と小腸停滞1例を除く24例(男性8例,女性16例,平均年齢44.4歳(18~80歳))にpillcam®SB2plusによる検査を施行した.この24症例を対象とし,i)患者背景,ii)パテンシーカプセル排出率および開通性判定,iii))盲腸到達率,iv)病変について検討した.【結果】i)検査理由はOGIB7例,クローン病小腸病変精査5例,腹痛・下痢5例,濾胞性リンパ腫病期診断,腹部膨満感,便秘各1例,その他4例であった.基礎疾患(重複あり)はクローン病5例,糖尿病4例,肝硬変3例,ベーチェット病,橋本病,SLE,脂質異常症,各2例,IgA腎症,潰瘍性大腸炎各1例,特にない症例が4例であった.内服歴は16例にあり,NSAIDs服用者を4例に認めた.ii)パテンシーカプセル原型排泄は13例(54%)で,残り11例は画像検査にて位置確認を行った.1例は腹部単純検査でS状結腸,1例は骨盤内回腸か横行結腸かの区別がつかず,CTで横行結腸にあることを確認した.9例はCTで位置確認を行い,盲腸1例,上行結腸3例,横行結腸3例,直腸2例であった.iii)全小腸観察可能症例は22例で,平均胃通過時間80分,平均小腸通過時間286分,盲腸到達率は91.7%(22/24例)であった.iv)有所見率は23/24例(95.6%)であった.小腸病変所見(重複あり)はアフタ・びらん20例,潰瘍性病変9例,隆起性病変3例(白色結節集簇1例,SMT2例),血管性病変2例であった.小腸外病変として1例胃潰瘍が認められた.過敏性腸症候群(IBS)として加療されていた3例いずれにもびらん・潰瘍性病変を認めた.【結語】パテンシーカプセル排泄率は54%に留まり,CTにて位置確認を行う必要があり,何らかの改善策が望まれた.IBSと診断された症例の中には小腸潰瘍症症例が高率に認められるため,積極的にVCEを行ってもよいと考えられた. |
索引用語 |
小腸カプセル内視鏡, パテンシーカプセル |