セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(臨床2)

タイトル 消P-395:

小腸腫瘍(SBT)におけるダブルバルーン内視鏡とカプセル内視鏡の診断能の比較と治療への応用

演者 山村 健史(名古屋大・消化器内科)
共同演者 大宮 直木(名古屋大・消化器内科), 中村 正直(名古屋大・消化器内科), 山田 弘志(名古屋大・消化器内科), 名倉 明日香(名古屋大・消化器内科), 吉村 透(名古屋大・消化器内科), 舩坂 好平(名古屋大・光学医療診療部), 宮原 良二(名古屋大・消化器内科), 大野 栄三郎(名古屋大・光学医療診療部), 川嶋 啓揮(名古屋大・消化器内科), 伊藤 彰浩(名古屋大・消化器内科), 廣岡 芳樹(名古屋大・光学医療診療部), 安藤 貴文(名古屋大・消化器内科), 渡辺 修(名古屋大・消化器内科), 後藤 秀実(名古屋大・消化器内科DELIMITER名古屋大・光学医療診療部)
抄録 【目的】ダブルバルーン内視鏡(DBE),カプセル内視鏡(VCE)の登場でSBTに対する診断能や治療法が向上した.今回,当院で経験したSBTの臨床的特徴を調べ,診断と治療におけるVCEとDBEの位置づけを検討した.【対象と方法】2003年6月~2012年12月にDBEを施行した971例中のSBT194例(男/女=120/74,年齢:56±18歳).CT検査は156例,小腸X線検査は90例,VCEは120例に施行した.【結果】194例の内訳は悪性腫瘍114例(悪性リンパ腫60例,GIS20例,転移性小腸腫瘍16例,小腸癌14例等),良性腫瘍80例(過誤腫性ポリープ35例,腺腫性ポリープ15例,迷入膵8例,血管腫6例等).CT,小腸X線,VCE,DBEの腫瘍検出率(%;上皮性/非上皮性)は.46/63,91/87,85/77,99/95であり,腫瘍径別では,2cm未満の検出率(%;上皮性/非上皮性)は15/23,71/69,79/79,100/97,2cm以上の検出率(%;上皮性/非上皮性)は67/97,96/95,89/73,98/94であった.VCEの見落としは24例(20%)で,通過速度の速い十二指腸・上部空腸の病変が12例(50%)と多く,非上皮性腫瘍18例(67%),腫瘍径20mm以下が11例(46%)あった.VCE滞留は悪性リンパ腫3例,小腸癌2例の5例(4.2%)に認められ,4例は検査前に腹部症状を認めた.DBE下生検診断率は178例中161例(90.4%)で,診断不能例は非上皮性腫瘍が88.2%(15/17)を占めた.Peutz-Jeghers症候群23例でVCEとDBEの指摘病変数に有意差はなく,摘除した小腸過誤腫性ポリープは15mm以上で腫瘍や重積の合併が認められた.また小腸濾胞性リンパ腫37例中,全小腸観察が可能であった15例でVCEとDBEの指摘病変数に有意差はなく,16人(43%)でVCEとDBEが治療方針決定に有用であった.【結語】SBTのスクリーニング,確定診断にVCEとDBEは有用であった.しかしVCEでは病変見落としの危険性がある.
索引用語 小腸腫瘍, 診断