セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(臨床2)

タイトル 消P-398:

当院における小腸腫瘍の臨床経験23例の検討

演者 中田 秀史(高槻病院・消化器内科)
共同演者 田中 雄志(高槻病院・消化器内科), 中野 遼太(高槻病院・消化器内科), 山中 広大(高槻病院・消化器内科), 徳山 長裕(高槻病院・消化器内科), 門田 智裕(高槻病院・消化器内科), 松本 尊彰(高槻病院・消化器内科), 小川 浩史(高槻病院・消化器内科), 北見 元哉(高槻病院・消化器内科), 石村 恵美(高槻病院・消化器内科), 志柿 泰弘(高槻病院・消化器内科), 中島 英信(高槻病院・消化器内科), 角田 力(高槻病院・消化器内科), 大須賀 達也(高槻病院・消化器内科), 平野 誠一(高槻病院・消化器内科), 伊倉 義弘(高槻病院・病理科), 岩井 泰博(高槻病院・病理科)
抄録 【目的】小腸腫瘍は全消化管腫瘍の1から2%と稀な疾患である.術前診断や早期発見が困難であり,腸閉塞などで緊急手術となることも少なくない.しかし,近年は小腸内視鏡やカプセル内視鏡の開発により症状出現前の発見や診断が可能となってきている.今回我々は,当院で経験した小腸腫瘍23例について検討を行った.【方法】症例は,2004年1月から2012年12月までの9年間で当院において診断・治療を行った小腸腫瘍の23例とし,臨床像,初発症状,診断方法,病理組織学的診断,治療方法などに関して検討を行った.【成績】年齢は42歳から87歳,平均年齢は66.6歳であり,男性11例,女性12例であった.原発性小腸腫瘍は9例で,その内訳は小腸癌2例,悪性リンパ腫2例,GIST2例,脂肪腫2例,過誤腫1例であった.多部位の腫瘍の転移あるいは播種による腫瘍は14例であった.初発症状は腸閉塞が9例,腸重積が2例,無症状のものは4例と少数であった.画像検査にて術前診断が可能であった症例は5例であったが,組織学的な診断に至った症例はなかった.全例で外科的切除が行われ,切除標本にて組織学的検索が可能であった.小腸内視鏡が施行されたのは1例のみであった.【結論】当院での小腸腫瘍に対する臨床経験では,やや転移あるいは播種によるものが多い結果であった.術前に組織学的な確定診断が得られた症例が少なく,これは小腸内視鏡導入後まだ日が浅いことも関係していると考えられた.小腸の悪性腫瘍のうち,本邦では比較的頻度の少ないカルチノイドの経験はなかったが,これまでに報告されている小腸悪性腫瘍の臨床像と大きな違いは認められなかった.小腸悪性腫瘍は予後不良のものが多く,今後は各種検査を用いた早期発見と適切な治療法の選択が重要と考えられた.
索引用語 小腸腫瘍, 小腸癌