セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(基礎1) |
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タイトル | 消P-404:単球吸着がinterleukin 6 放出に与える影響に関する基礎的研究 |
演者 | 西瀬 祥一(山形大・消化器内科) |
共同演者 | 阿部 靖彦(山形大・消化器内科), 野村 栄樹(山形大・消化器内科), 佐藤 剛司(山形大・消化器内科), 佐々木 悠(山形大・消化器内科), 岩野 大輔(山形大・消化器内科), 吉澤 和哉(山形大・消化器内科), 八木 周(山形大・消化器内科), 上野 義之(山形大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】interleukin(IL)-6は単球・リンパ球などから産生される炎症性サイトカインであり,ナイーブT細胞のTh17への分化を誘導するなど,tumor necrosis factor(TNF)-αとともに炎症性腸疾患(IBD)の病態に強く関与している.IBDの治療法の一つである顆粒球・単球吸着除去療法(GMA)に関連して,吸着担体である酢酸セルロース(CA)ビーズに顆粒球・単球が吸着することで,IL-1 receptor antagonist(IL-1ra)やIL-10などの抗炎症性サイトカインのみならず,少量のTNF-αが放出されることを我々は報告しているが,IL-6に関しては未だ検討されていない.そこで本研究では,単球吸着とIL-6放出との関連を明らかにすることを目的とした.【方法】健常成人および軽症~中等症の潰瘍性大腸炎患者から採取した末梢血を,in vitroでCAビーズと1時間接触させた後,接触前後の血漿IL-6濃度を比較した.加えて,CAビーズ接触後のIL-6増加率と単球吸着率との相関関係を調べた.【成績】CAビーズ接触前のIL-6濃度(pg/mL)は,健常群に比べ患者群で有意に高値だった(2.6±0.1 vs 4.0±0.6,p<0.05).健常群では,CAビーズ接触後のIL-6濃度は3.1±0.1と接触前に比べ有意に上昇した(p<0.02).患者群では,CAビーズ接触前のIL-6濃度が5未満の症例では接触後に有意に上昇した(3.1±0.3 vs 3.5±0.4,p<0.05)が,5以上の症例では接触後の上昇はみられなかった.また,CAビーズ接触後のIL-6増加率は単球吸着率と有意な正の相関を示した(r=0.56,p<0.01).【結論】IL-6は単球吸着刺激によって放出されることが明らかとなった.IL-6放出にも関わらずGMAが有効である理由の一つとして,IL-6の増加量は少量であり,増加率はIL-1raやIL-10の方が極めて大きいため,全体としては抗炎症性サイトカイン優位な状態になることが考えられた.また,すでに血中IL-6がある程度の高値である場合,単球は吸着刺激を受けてもそれ以上のIL-6を放出しない可能性が示唆された. |
索引用語 | IL-6, 顆粒球・単球吸着 |