セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(基礎2) |
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タイトル | 消P-410:Tacrolimusにより誘導されるT細胞apoptosisは,collagen存在下で抑制される. |
演者 | 齊藤 景子(千葉大・消化器内科) |
共同演者 | 勝野 達郎(千葉大・消化器内科), 佐塚 小百合(千葉大・消化器内科), 中川 倫夫(千葉大・消化器内科), 新井 誠人(千葉大・消化器内科), 横須賀 收(千葉大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】慢性炎症が線維化を来すことはよく知られている.しかし,逆に線維化の存在が炎症に影響を及ぼすかどうかは明らかになっていない.今回,我々はヒトT細胞を1型collagenゲル内で3D培養を行い線維化モデルとして,薬剤によるapoptosis誘導への反応変化とそれに関与するシグナルについて検討した. 【方法】ヒトT細胞様株Jurkat細胞を培養液内または1型collagenゲル内で24時間培養し,tacrolimusを加えてapoptosis誘導を行った.apoptosisのマーカーには活性型poly-caspaseを用い,生死細胞の判別にPropidium Iodideで2重染色し, flow cytometryで測定した.また,1型collagenがJurkat細胞のapoptosisに関与するシグナルを検討するために,PCR-Arrayを行った. 【成績】Tacrolimusは濃度,時間依存性にJurkat細胞にapoptosisを引き起こした(80μM tacrolimus 24時間刺激によるapoptosis細胞の割合=56.9±1.7%).また,1型collagenゲル内で3D培養したJurkat細胞は培養液内で培養したものより優位にtacrolimusによるapoptosisが抑制されていた(1型collagenゲル内 80μM tacrolimus 24時間刺激によるapoptosis細胞の割合=22.1±2.2%).一方,陽性コントロールとして用いたstaurosporine刺激においては,collagenによるapoptosis抑制は見られなかった(培養液/1型collagenゲル内apoptosis細胞の割合=30.84±0.47%/20.96±8.26%).Apoptosis PCR-Arrayの結果,collagen 3D培養した細胞にtacrolimusを加えた時のみ,Bcl-2ファミリーの発現増強を認めた. 【結論】1型collagen存在下ではtacrolimusによるapoptosis誘導が抑制され,これにBcl-2ファミリーが関連していることが示唆された.IBDのようにtaclolimusを治療に用いる慢性炎症疾患において臓器線維化の有無が治療効果を左右する可能性があると思われた. |
索引用語 | apoptosis, 線維化 |