セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(基礎2)

タイトル 消P-411:

チューインガム咀嚼による左側結腸癌術後の腸管蠕動回復効果についての検討

演者 小林 敬明(杏林大・外科)
共同演者 正木 忠彦(杏林大・外科), 高安 甲平(杏林大・外科), 小嶋 幸一郎(杏林大・外科), 吉敷 智和(杏林大・外科), 小河 晃士(杏林大・外科), 松岡 弘芳(杏林大・外科), 阿部 展次(杏林大・外科), 森 俊幸(杏林大・外科), 杉山 政則(杏林大・外科)
抄録 背景 開腹手術後に腸管麻痺を来すことは知られており,術後合併症としてイレウスの発生や入院期間の延長を来すとされている.その対策として,ガムの咀嚼が有効であるという報告が散見されるが一定の見解に至っておらず,また機序も分かっていない.目的 ガム咀嚼による術後腸管蠕動の回復効果とその機序の解明する.方法 85歳以下の左側結腸直腸癌の開腹手術症例48例を,ガム咀嚼群,コントロール群に分け,咀嚼群にはガムを一日3回・5分以上咀嚼させた.手術から排ガスや排便までの時間,colonic transit time(CTT)の測定,消化管ホルモン(ガストリン,デスアシルグレリン,モチリン,セロトニン)の測定を行い,両群間で比較検討した.結果 術後から初回排ガスまでの時間は咀嚼群53時間,コントロール群49時間(p=0.48)であり,術後から初回排便までの時間は咀嚼群94時間,コントロール群109時間であり(p=0.23),有意差を認めなかったものの咀嚼群で短縮する傾向が認められた.CTTでは特に有意な所見を認めなかったものの,消化管ホルモン測定では,ガム咀嚼群においてデスアシルグレリン(5-10POD間,p<0.05)とガストリン(10POD, p<0.05)の測定値比(術後値/術前値)が有意差をもって上昇した.結論 ガム咀嚼は術後腸管蠕動改善に有効である可能性があり,その機序には咀嚼によるグレリンとガストリン分必が関与している可能性が示唆された.
索引用語 消化管ホルモン, グレリン