セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(診断1)

タイトル 消P-414:

腸管出血性大腸菌感染症O -157のCT画像の検討

演者 高橋 昭裕(大森赤十字病院・消化器内科)
共同演者 芦刈 圭一(大森赤十字病院・消化器内科), 河野 直哉(大森赤十字病院・消化器内科), 関 志帆子(大森赤十字病院・消化器内科), 天野 由紀(大森赤十字病院・消化器内科), 千葉 秀幸(大森赤十字病院・消化器内科), 井田 智則(大森赤十字病院・消化器内科), 諸橋 大樹(大森赤十字病院・消化器内科), 後藤 亨(大森赤十字病院・消化器内科)
抄録 【目的】腸管出血性大腸菌感染症は溶血性尿毒症症候群や脳症を続発することで時に重篤な経過をたどることがある.診断は,通常,便培養で行われるが,過去の報告によれば上行結腸の壁肥厚が特徴的であり,CTが診断に有用とされている.当科では重症の腸炎の場合,積極的にCTを撮像しており,今回,腸管出血性大腸菌感染症において,実際に特徴的なCT所見が認められたか,連続症例で検討した.【対象】2008年4月から2013年3月の過去5年間に腸管出血性大腸菌感染症と診断した9例(確診8例,疑診1例)を対象とした.この内,CTを撮像されていなかった1例を除外した8例(男:女2:6,平均年齢39歳(22-74歳))に関して,CT所見と臨床像を検討した.【結果】CT所見は全例で全周性,連続性に腸管壁の肥厚を認め,6例は盲腸から上行結腸もしくは横行結腸近位側にかけて,2例は全結腸(特に上行結腸)に所見を認めた.肥厚した腸管壁は内腔より高,低,高吸収域を示す3層構造の所見を認め,特に第2層の肥厚が著明であった.CFは全結腸に壁肥厚を認めた2例で施行されていた.1例はS状結腸までの観察だったが,びまん性に発赤とびらんを認め,S状結腸でより顕著だった.1例は上行結腸まで観察しており,上行結腸から横行結腸近位側まで著明な浮腫とびらん,易出血性粘膜を認め,肛門側で所見は軽微となっており,CTの病変部位と一致した.治療は妊娠中の1例を除いた7例に抗生剤(LVFX)が投与されていた.転機は7例が軽快退院したが,妊娠中の1例に経時的な血小板減少を認め,溶血性尿毒症症候群が疑われ,入院8日目に高次医療施設へ転医となっていた.【結語】腸管出血性大腸菌感染症O-157のCT画像は全例に特徴的な所見を認め,早期診断に有用と思われた.
索引用語 腸管出血性大腸菌, CT