セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(診断1)

タイトル 消P-416:

当科における虚血性腸炎に関する検討

演者 川出 尚史(岐阜市民病院・消化器内科)
共同演者 高木 結衣(岐阜市民病院・消化器内科), 加藤 潤一(岐阜市民病院・消化器内科), 入谷 壮一(岐阜市民病院・消化器内科), 黒部 拓也(岐阜市民病院・消化器内科), 渡部 直樹(岐阜市民病院・消化器内科), 中島 賢憲(岐阜市民病院・消化器内科), 鈴木 祐介(岐阜市民病院・消化器内科), 小木曽 富生(岐阜市民病院・消化器内科), 林 秀樹(岐阜市民病院・消化器内科), 向井 強(岐阜市民病院・消化器内科), 杉山 昭彦(岐阜市民病院・消化器内科), 西垣 洋一(岐阜市民病院・消化器内科), 加藤 則廣(岐阜市民病院・消化器内科), 冨田 栄一(岐阜市民病院・消化器内科)
抄録 【目的】虚血性腸炎(IC)は多くの症例は経過が良好であるが,壊死型虚血性腸炎をきたし緊急手術を要する症例も少なくない.今回我々は,当科で経験したICを対象として臨床的特徴について検討を行った.
【方法】対象は2012年1月より2013年2月までに下血を主訴として当科で大腸内視鏡検査を施行し,ICと診断された連続した65例.検討項目は患者の自覚症状,既往歴,抗凝固薬の内服,BMI,発症部位,および血液検査,内視鏡所見,便培養,腹部USとCT所見とした.
【結果】性別は男性18例,女性47例と女性に多く,平均年齢は62歳.自覚症状は血便63例(96.9%),腹痛47例(72.3%),下痢18例(27.7%),嘔吐10例(15.4%).既往歴は高血圧23例,糖尿病6例,虚血性心疾患5例,脳梗塞3例であり抗血栓薬を内服していた患者は17例(26.2%)であった.また入院を要した患者は42例(64.6%)で,23例(35.4%)は外来通院で経過観察が可能であった.BMIを測定できた55例は18.5未満11例,18.5~25で35例,25~30で6例,30以上2例であり,ICと肥満とで明らかな関連性はなかった.また発症部位は左半結腸57例(87.7%),右半結腸7例(10.8%)と左側の頻度が高率であった.内視鏡所見は,偽膜様所見30例(46.2%),うろこ模様20例(30.8%),チアノーゼ所見12例(18.5%),血管拡張3例(4.6%)であった.また血液検査はCRP高値が44例にみられた.便培養を施行した54例では性39例(65%)が陰性であったが,病原性大腸菌群10例(15.4%),K.oxytoca2例(3.1%),CD抗原陽性2例(3.1%)もみられた.一方,腹部USまたはCTにて病変を指摘しえた症例は47例(72.3%)と高率で,うち2例(3.1%)は壊死型ICの像を呈し早期に外科切除を施行して経過は良好であった.
【結論】ICは女性に多く,また経過は良好な症例が多かった.壊死型ICの診断には腹部USやCTが有用であり,早期に行うことが必要と思われた.
索引用語 虚血性腸炎, 診断