セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(診断2)

タイトル 消P-418:

結核診断における生検検体の精度―各種検査法による比較

演者 関根 一智(国立国際医療研究センター・消化器科)
共同演者 永田 尚義(国立国際医療研究センター・消化器科), 新藤 琢磨(国立国際医療研究センター・エイズ治療・研究開発センター), 森野 英里子(国立国際医療研究センター・呼吸器科), 新保 卓郎(国立国際医療研究センター研究所・医療情報解析研究部), 田中 将平(国立国際医療研究センター・消化器科), 高崎 仁(国立国際医療研究センター・エイズ治療・研究開発センター), 櫻井 俊之(国立国際医療研究センター・消化器科), 秋山 純一(国立国際医療研究センター・消化器科), 柳瀬 幹雄(国立国際医療研究センター・消化器科)
抄録 【目的】腸結核は,炎症性腸疾患や感染性腸炎と臨床上多くの類似点を持つため鑑別が困難である.診断のため内視鏡的生検を行うが,HE染色だけでは肉芽腫の存在しかわからない.今回,腸結核診断のための各種検査法の診断精度を明らかにする.【方法】対象は,回盲部潰瘍を認め腸結核を疑い生検を行った161人である.腸結核の診断は,次の1から3のいずれかを満たすものとした.1生検培養または生検PCRで結核菌陽性,2抗結核薬による病変改善,3肺結核陰性かつ便培養で結核菌陽性.生検検体におけるHE染色での肉芽腫存在,Ziehl-Neelsen(Z-N)染色,Auramine蛍光染色,塗抹鏡顕法(AFB),PCR,抗酸菌培養の診断精度を解析した.【成績】161人中,腸結核49人,感染性腸炎31人,炎症性腸疾患18人,その他63人であった.各種検査法のうち生検培養,HE染色での肉芽腫存在の感度が高かった.生検培養の腸結核診断精度(ROC-AUC)は,Z-N,Auramine,AFB ,PCRと比較して有意に高かった(表).通常の生検のみと比べて,通常生検に加えて生検培養を提出する場合の感度は70%と上昇しROC-AUCも有意に上昇した.【結論】腸結核診断に生検を行う場合,HE染色だけでなく生検培養の追加検査が重要である.
索引用語 腸結核, 培養