セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(診断2)
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タイトル |
消P-419:大腸癌の術前患者に対しての大腸CTの導入の利点と問題点
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演者 |
朝倉 謙輔(岩手県立二戸病院・消化器科) |
共同演者 |
肥田 憲彦(岩手県立二戸病院・消化器科), 小豆嶋 立頼(岩手県立二戸病院・消化器科), 中野 理恵子(岩手県立二戸病院・消化器科), 鈴木 悠地(岩手県立二戸病院・消化器科), 高橋 浩(岩手県立二戸病院・消化器科), 坂本 隆(岩手県立二戸病院・外科) |
抄録 |
【目的】大腸癌の術前検査に大腸CT(以下CTC)を導入し,他のモダリティーとの描出能,検査期間,医療経済的な比較検討を行った.【対象と方法】2012年6月~2013年2月までに内視鏡検査後に手術適応(ESDも含む)と判断し同日にCTCを施行した15人(男性6人,女性9人,平均年齢74.0歳),28病変(手術対象の主病変17病変,その他の副病変11病変)について検討した.症例により必要があれば注腸造影(以下BE)を追加した.【成績】対象病変の肉眼型は2型,10病変(35.7%),Ιsp,9病変(32.8%),LST,4病変(14.2%),Ιp,2病変(7.1%), 1型,1病変(3.5%),ΙΙc+ΙΙa,1病変(3.5%),分類不能, 1病変(3.5%),であった.CTCの病変の描出率26/28例(92.8%)であった.BEは主病変のみの比較としBE施行例の描出率は4例/7例(57.1%)であった.CTCで描出困難な病変の肉眼型はEMR後の遺残例とΙpで,部位は回腸と上行結腸であった.内視鏡所見とCTCの所見に乖離が認められたのは肉眼型では2型とLSTが多く,部位では盲腸と上行結腸が多かった.術前検査期間はCTC症例では11.5日,従来の症例28症例では20.7日であった.費用はCTC施行例では4120点,EB施行例2218点CTC施行例は4120点でありEB施行した従来法が1902点低かった.外科的な切除を行う症例については支配血管が術前に明らかになるためCTCは有用であると思われた.【結語】当院では患者の平均年齢は高くBE施行困難な患者も多く,施行できない例もある.CTCはBEよりも費用は嵩むが患者の身体的負担ばかりでなく術者の負担も軽減され,高齢者には適していると考えられた.今回は内視鏡に引き続きCTCを施行し前処置は良好で抽出率も高かったが,抽出困難例や肉眼所見との乖離があった症例は大腸の拡張不良や腸管洗浄液の遺残している例が多かった.BEを施行せずCTC単独で術前を施行する,あるいは,高齢者に対してのスクリーニングに導入するには前処置や送気量を含めた検査法の改良が必要と考えた. |
索引用語 |
大腸CT, 大腸癌 |