セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病1)

タイトル 消P-425:

IBDに対するinfliximab時間短縮投与の安全性についての検討

演者 佐藤 剛司(山形大附属病院・光学医療診療部DELIMITER山形大・消化器内科)
共同演者 野村 栄樹(山形大・消化器内科), 菅野 奈々(山形大・消化器内科), 水本 尚子(山形大・消化器内科), 八木 周(山形大・消化器内科), 吉澤 和哉(山形大・消化器内科), 矢尾板 孝夫(山形大・消化器内科), 岩野 大輔(山形大・消化器内科), 佐々木 悠(山形大・消化器内科), 阿部 靖彦(山形大・消化器内科), 西瀬 祥一(山形大・消化器内科), 上野 義之(山形大・消化器内科)
抄録 【目的】クローン病(以下CD), 潰瘍性大腸炎(以下UC)に対しするinfliximab(以下IFX)の良好な治療成績が多数報告されている. 2時間以上で投与することが指示されていたが, 2012年5月より, 副作用が認められない症例において, 点滴速度が1時間当たり5mg/kgを超えない範囲で時間短縮(以下時短)が適用された. 今回時短投与の安全性について検討したので報告する. 【方法】IFXの投与量は5mg/kgで, 当院では前投薬としてIFX投与30分前に, ベポタスチンベシル酸塩10mg 1錠の内服と, ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム注 100mgの30分での投与を全例に実施している. 時短の適応は, IFXの2時間投与で少なくとも3回以上投与時反応がなく, かつ時短に同意が得られた症例とした. 対象は当院で2005年12月から2012年12月までIFX維持投与を行ったIBD患者51例で, 通常投与群と時短投与群でinfusion reaction(以下IR)の発現率を比較検討した. IFXの回数集計において倍量投与は除外した. 【成績】対象患者51例で, CD 40例, UC 11例であった. 男女比は34:17, 罹病期間中央値は5.1年, 発症年齢中央値は21.3歳, IFX投与開始時年齢中央値は30.2歳であった. 通常投与総回数は786回であった. 一方時短投与は23例(45.1%)で, 総投与回数は80回であった. IRは通常投与例で2例(7.1%)に認め, 総投与回数における出現率は0.25%であった. 時短投与例ではIRは認めなかった. IFX開始からIR発生までの期間はそれぞれ3.2年, 2年であった. 2例とも抗TNFα製剤を変更した. 【結論】今回通常例に比し, 時短例の投与回数は少ないものの, 時短例でIRは認めず, 安全であると考えられた. 今後さらに症例を集積して検討したい.
索引用語 インフリキシマブ, 炎症性腸疾患