セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病2)

タイトル 消P-430:

難治性クローン病患者におけるInfliximab10mg/kg増量投与の有効性とCD64との関連性の検討

演者 千葉 俊美(岩手医大・消化器・肝臓内科)
共同演者 佐藤 邦彦(岩手医大・消化器・肝臓内科), 春日井 聡(岩手医大・消化器・肝臓内科), 松田 望(岩手医大・消化器・肝臓内科), 横山 直記(岩手医大・消化器・肝臓内科), 鳥谷 洋右(岩手医大・消化器・肝臓内科), 亀井 將人(岩手医大・消化器・肝臓内科), 安部 圭之輔(岩手医大・消化器・肝臓内科), 小豆嶋 立頼(岩手医大・消化器・肝臓内科), 赤坂 理三郎(岩手医大・消化器・肝臓内科), 柴田 将(岩手医大・消化器・肝臓内科), 安孫子 幸人(岩手医大・消化器・肝臓内科), 小穴 修平(岩手医大・消化器・肝臓内科), 廣田 茂(岩手医大・消化器・肝臓内科), 遠藤 昌樹(岩手医大・消化器・肝臓内科), 滝川 康裕(岩手医大・消化器・肝臓内科), 菅井 有(岩手医大・分子診断病理学), 鈴木 一幸(岩手医大・消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】CD64は,炎症性腸疾患との関連性が報告されている(Am J Gastroenterol 2009; 104:102-109).今回,Infliximab (IFX) 5mg/kg使用歴があるAdalimumab (ADA) 効果不十分例の難治性クローン病患者4名にInfliximab (IFX) 5mg/kgを再導入した後に,IFX 10mg/kgの増量投与を行い疾患活動性とCD64との関連性を検討した.【方法】クローン病患者4例 (男性3例・女性1例;平均年齢39.3歳,小腸大腸型4例)を対象とした.IFX 10mg/kg投与前,投与4週後に採血を行ないCD64,CDAI,CRP,Albを評価した.またIFX 10mg投与前後のCD64変化率に対してCDAI,CRP,Albの変化率の相関も検討した.【結果】IFX投与前の平均値は,CD64 6026.2±2041.9 molecules/cell,CDAI 270.3±93.0,CRP 3.5 ±3.5 mg/dl,Alb 3.6±0.46 g/dlであった.IFX 10mg単回投与後,平均値でCD64は36%低下 (6026.2から3873.0 molecules/cell),CDAIは27%低下 (270.3から196.6),CRPは,42%低下 (3.5から2.0 mg/dl),Albは,1%上昇 (3.60から3.64 g/dl)した.CD64は,全例において低下した.またCD64変化率とCDAI変化率の相関係数はγ=0.756,CRP変化率ではγ=0.923,Alb変化率ではγ=-0.62であった.【結論】IFX (5mg/kg) の使用歴があるADA効果不十分例の難治性クローン病患者に対してIFXを再導入した後に,IFX 10mg/kgへ増量することで効果が認められた.またIFX 10mg/kg投与後に全例CD64が低下し,特にCRPとの相関関係が示唆されたことからもIFX 10mg/kgの増量投与は,難治性クローン病患者に対して有用性が期待できる.
索引用語 クローン病, CD64