セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(クローン病2)
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タイトル |
消P-431:当科クローン病に対するアダリムマブの使用成績について
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演者 |
古賀 章浩(福岡大筑紫病院・消化器内科) |
共同演者 |
矢野 豊(福岡大筑紫病院・消化器内科), 高津 典孝(福岡大筑紫病院・消化器内科), 高木 靖寛(福岡大筑紫病院・消化器内科), 平井 郁仁(福岡大筑紫病院・消化器内科), 松井 敏幸(福岡大筑紫病院・消化器内科) |
抄録 |
【背景】アダリムマブ(ADA)は中等症から重症のクローン病(CD)患者に対し使用され,高い寛解導入・維持効果を認めている.また,インフリキシマブ(IFX)に対する効果減弱症例や不耐症例に対する症例に対してもスイッチすることが治療選択肢の1つとして用いられている.しかし,その長期経過での臨床実態や維持効果についての報告は少ない.【目的】ADA使用中のCD患者に対する長期経過での臨床的特徴や維持効果因子を明らかにすること.【対象・方法】2010年11月から2013年1月までに当科でADAを導入したCD患者71例を対象とし臨床背景と有効性を検討した.【結果】ADA投与患者71例の患者背景は性別(男性/女性)44/27,平均年齢35.0±12.0歳,平均罹患期間13.5±9.7年であった.ADA投与目的は腸管病変の増悪が49例と最も多く,IFXからのスイッチが37例,肛門病変14例,術後再燃予防8例,内・外瘻6例であった(重複症状あり).ストーマ15例を除く56例の平均CDAI値の推移は0週 217,4週109,12週108,24週117,52週130であった.0週と比較すると4週,12週,24週,52週目で有意差(p<0.05)を認めた.寛解率では0週20%,4週81.5%,12週71.7%,24週72.1%,52週48.8%であった.52週までの継続予測因子として12週の寛解・非寛解患者背景での比較では平均罹病期間(月)で寛解/非寛解は135.8 / 217.7,IFX治療歴のありで寛解は33.3%,ADA導入前平均CDAI値で寛解/非寛解は204.7 / 270.5,4週平均CDAI値で寛解/非寛解は90.7 / 159.3でそれぞれに有意差(p<0.05)を認めた.【結論】平均CDAI値の推移では,長期で活動性は低値であり,寛解率の推移でも24週で70%以上,52週で50%近い寛解率を維持している結果であった.その長期寛解を維持し得た症例の臨床的特徴はCD罹病期間が短い,生物学的製剤のナイーブ症例,ADA導入時のCDAIが低い,導入後早期に寛解している症例であった.これらの特徴が長期寛解維持の予測因子として考えられた. |
索引用語 |
クローン病, アダリムマブ |