セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(クローン病2) |
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タイトル | 消P-433:炎症性腸疾患の膵酵素異常についての臨床的検討 |
演者 | 園山 浩紀(島根大附属病院・消化器内科) |
共同演者 | 川島 耕作(島根大附属病院・消化器内科), 石原 俊治(島根大附属病院・消化器内科), 多田 育賢(島根大附属病院・消化器内科), 岡 明彦(島根大附属病院・消化器内科), 楠 龍策(島根大附属病院・消化器内科), 福庭 暢彦(島根大附属病院・消化器内科), 大嶋 直樹(島根大附属病院・消化器内科), 森山 一郎(島根大附属病院・消化器内科), 結城 崇史(島根大附属病院・光学医療診療部), 木下 芳一(島根大附属病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】炎症性腸疾患(IBD)は様々な腸管外合併症が報告されており,高Amylase血症を来たす頻度が高いと報告されている.これまでにIBDと血清Amylase値についての報告はみられるが,血清膵性Amylase(P-Amylase)値についての詳細な検討は行われていない.そこで今回我々はIBD患者の血清P-Amylase値とLipase値を測定し,IBDにおける膵酵素異常をきたす頻度・要因について検討した.【方法】2012年8月時点で当院と当科関連1施設に通院中のIBD患者152例(Crohn病(CD):64例,潰瘍性大腸炎(UC):88例)を対象とした.CD患者の内訳は男性45例,女性19例.平均37.7歳(16歳-66歳).UC患者は男性55例,女性33例.平均47.6歳(13歳-85歳).外来受診時に血清P-Amylase値とLipase値を測定し,異常をきたす頻度を検討した.また年齢,性別,手術歴,病型,アルコール摂取,BMI,活動性,治療薬(5-ASA,抗TNFα製剤,ステロイド剤,免疫抑制剤)の11因子について多変量解析を行い,異常をきたす要因について検討した.【成績】CD患者では高P-Amylaseは20例(31.2%),高Lipaseは6例(9.3%)で認めた.一方,UC患者では高P-Amylaseは20例(22.7%),高Lipaseは5例(5.6%)で認めた.CD患者における血清P-Amylase値の上昇する因子としては,小腸病変を伴う病型とステロイド剤であった.一方で,抗TNFα製剤(インフリキシマブ,アダリムマブ)は血清P-Amylase値を低下させる因子であった.UC患者ではP-Amylase,Lipaseともにそれぞれの因子との関連性はみられなかった.【結論】高P-Amylase,高Lipaseの頻度は,CD患者の方がUC患者よりも高かった.CD患者では小腸病変を伴う病型,ステロイド剤,抗TNFα製剤が血清P-Amylase値に影響する因子であった.血清P-Amylase値とIBDの活動性とは関係は認めなかった. |
索引用語 | 炎症性腸疾患, P-Amylase |