セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病3)

タイトル 消P-434:

当院でのクローン病に対するadalimumab使用症例についての検討

演者 間 浩正(太田西ノ内病院・消化器科)
共同演者 今村 秀道(太田西ノ内病院・消化器科), 今泉 博道(太田西ノ内病院・消化器科), 草野 昌樹(太田西ノ内病院・消化器科), 橋本 健明(太田西ノ内病院・消化器科), 鈴木 聡(太田西ノ内病院・消化器科), 迎 慎二(太田西ノ内病院・消化器科)
抄録 【背景・目的】クローン病(CD)に対する寛解導入及び維持療法としてadalimumab(ADA)が登場し,治療成績の向上が期待されているが,本邦における報告は多くはない.今回当院でのCDに対するADA使用症例について検討を行なった.
【対象・方法】2010年10月から2013年3月までに当院でADAが投与されたCD患者18例(男性11例,女性7例)を対象とした.スイッチ群(infliximab治療歴あり)が9例[平均年齢41.1歳],ナイーブ群(infliximab治療歴なし)が9例[平均年齢29.4歳]であり,投与前・投与8週後・投与24週後のCDAIおよびCRPを評価した.
【結果】ナイーブ群においてはCDAIの平均値は治療前で151.7点,治療8週後で49.5点,治療24週後で62.8点とADA投与前に比較して,CDAIはナイーブ群でより大きく低下傾向であった.それと比較しスイッチ群ではCDAIの平均値は治療前で146.0点,治療8週後で167.6点,治療24週後で175.9点と改善に乏しい結果となった.また治療後24週以後の寛解維持症例はナイーブ群で6例,スイッチ群で5例であった.スイッチ群のうち,不耐症例(平均罹患期間7年)・二次無効症例(平均罹患期間5.4年)を比較したところ,不耐症例で2例(50%),二次無効例で2例(40%)と寛解導入数に大きな差はなかったと思われた.
【考察】少数例,短期間であるが,ADAはナイーブ例においては高い有効性を発揮し,治療経過もよい傾向を示した.今後も症例を集積して詳細に経過を観察すると同時に,スイッチ例を中心とした効果不十分例への対応も検討していくべきだと考えられた.
索引用語 クローン病, アダリムマブ