セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(クローン病3)
|
タイトル |
消P-439:早期Crohn’s病におけるintensive GMAによる寛解導入と限界
|
演者 |
福知 工(済生会中津病院・消化器内科) |
共同演者 |
生方 聡史(済生会中津病院・消化器内科), 蘆田 潔(済生会中津病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】生物学的製剤の登場でCrohn’s病(CD)の治療成績は向上したが,infusion reaction等で維持投与せざるを得ないことが多く不応となればその後の治療が難渋し,治療中は感染症を懸念せざるを得ず長期的な合併症は不明である.最近本邦ではその使用頻度が多いとの指摘もある.GMAの機序は生理的な顆粒球/単球の吸着によるサイトカイン産生低下であり,薬剤の使用は抗凝固剤のみで治療中,治療後の合併症は少なく治療の終了が存在する.GMAは潰瘍性大腸炎ではsteroid naive,intensive法(2回/週×5週)で治療成績が向上する.今回,臨床的に早期のCDにintensive GMAを行い,治療成績を検討した.【方法】1).steroidと生物学的製剤非投与,2).罹患期間3年以下,3).手術歴,内視鏡的拡張歴がないCDを早期CDと定義した23例(CDAI264.7,大腸型12例小腸大腸型3例小腸型8例,平均CRP4.2mg/dl,平均Simple endoscopic score of Crohn’s disease(SES-CD)8.7)が対象である.全例steroid,生物学的製剤併用は行わず5-ASA,azathiprineを併用しintensive GMAを行った.治療開始2週,4週,6週(GMA終了1週後)の寛解導入率(CDAI<150)を算出し治療前後の平均CRP,SES-CDを評価した.また,寛解導入例と非寛解導入例の差異を検討した.【結果】寛解導入率は2週後:21.7%→4週後56.5%→6週後78.3%であった.平均CRP:4.2→0.4mg/dl,SES-CD:8.7→4.1と有意に改善し (p<0.001),重篤な副作用はなかった.寛解例と非寛解例のCDAI:264.3vs264.5,CRP:4.3vs3.6mg/dl,SES-CD:8.2vs10.4と有意差なかったが,狭窄がある全3例は寛解導入できず増悪し生物学的製剤導入となった.寛解導入症例は全例steroid,生物学的製剤未使用で5-ASA,azathiprineで寛解維持され再燃例は再GMAが行われた.【結論】GMAはintensiveで罹患機関の短いsteroid,生物学的製剤未使用の早期CDならば重篤な副作用なく78.3%で寛解導入し内視鏡像の改善も認め有効であると考えられた.そのうち消化管狭窄を有するCDになればGMAによる寛解導入の期待が薄いと考えている. |
索引用語 |
クローン病, GMA |