セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病4)

タイトル 消P-440:

クローン病におけるインフリキシマブ投与速度短縮の安全性

演者 鈴木 英雄(筑波大附属病院・光学医療診療部)
共同演者 奈良坂 俊明(筑波大附属病院・光学医療診療部), 溝上 裕士(筑波大附属病院・光学医療診療部), 金子 剛(筑波大大学院・消化器病態医学), 森脇 俊和(筑波大大学院・消化器病態医学), 遠藤 慎治(筑波大大学院・消化器病態医学), 松井 裕史(筑波大大学院・消化器病態医学), 谷中 昭典(筑波大大学院・消化器病態医学), 兵頭 一之介(筑波大大学院・消化器病態医学)
抄録 【目的】クローン病に対するインフリキシマブは原則2時間以上をかけて緩徐に点滴静注することになっているが,6週までの投与でinfusion reactionが認められなければ,点滴速度を上げて時間を短縮することができる.しかし,国内での投与時間短縮による影響を検討した報告は少ない.【方法】対象は当院にてインフリキシマブの1時間の投与時間短縮が行われたクローン病患者22名.短縮後に生じた有害事象を後ろ向きに検討した.【成績】対象者の投与量は5mg/kgが9名,10mg/kgが13名の計22名.短縮投与後に3名(14%)に有害事象がみられた.内訳は頭痛が1名,悪寒と気分不快が1名,皮疹が1名であった.頭痛は2時間投与に戻すことで改善し,悪寒と気分不快は3時間投与に戻すことで改善した.皮疹は2時間投与に戻しヒスタミン拮抗薬の前投与も行ったが改善せず,アダリムマブ投与に変更した.この3名のうち10mg/kg投与は悪寒と気分不快が生じた1名のみ(7.7%)であり,他2名は5mg/kg投与であった.【結論】少数例の検討ではあるが,投与時間短縮により一定の有害事象が生じたが,多くは投与時間を延長することで改善した.一般的には平均点滴速度は1時間当たり5mg/kgを投与する速度を超えないこととなっているが,10mg/kgの短縮投与でも有害事象の発生に差はなく,インフリキシマブの有害事象には投与量よりも投与速度の影響が強いことが示唆された.
索引用語 クローン病, インフリキシマブ