セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病4)

タイトル 消P-441:

クローン病における抗TNF-α抗体投与の2次無効予測因子の検討

演者 岩本 史光(山梨県立中央病院・消化器内科)
共同演者 小嶋 裕一郎(山梨県立中央病院・消化器内科), 石田 泰章(山梨県立中央病院・消化器内科), 川上 智(山梨県立中央病院・消化器内科), 久野 徹(山梨県立中央病院・消化器内科), 深澤 佳満(山梨県立中央病院・消化器内科), 廣瀬 純穂(山梨県立中央病院・消化器内科), 細田 健司(山梨県立中央病院・消化器内科), 鈴木 洋司(山梨県立中央病院・消化器内科), 望月 仁(山梨県立中央病院・消化器内科), 大塚 博之(市立甲府病院・消化器内科), 榎本 信幸(山梨大・1内科), 小俣 政男(山梨県立中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】抗TNF-α抗体の登場によりクローン病治療の臨床は変化した.抗体投与の病勢control群(under control群)と病勢悪化群(out of control)の予測因子を明らかにする.【方法】1992年4月から2013年3月までに加療されたクローン病103例のうち抗投与74例を対象とし,2次無効予測因子を検討した.2次無効の定義としては,抗体の投与量変更,間隔短縮,種類変更を余儀なくされたものとした.【方法】抗体投与74例のコホートのうち,2次無効に寄与する因子を以下にのべる15項目(性別,発症年齢,罹病期間,抗体導入年齢,投与期間,痔瘻有無,消化管狭窄の有無,外科手術既往の有無,抗体導入時のCRP,抗体導入時大腸潰瘍有無,成分栄養療法有無,5-ASA投与有無,ステロイド投与有無,6-MP投与有無,抗TNF-α抗体の種類)の単変量解析,多重ロジスティック回帰による多変量解析を行った. 【成績】抗体導入はインフリキシマブ投与66例,アダリムマブ投与8例で,2次無効となったのはインフリキシマブ投与31例,アダリムマブ投与1例であった.2次無効となるまでの期間は中央値651日 であった.上記項目の単変量解析では,罹病期間(p=0.03),抗体導入期間(p=0.001) ,外科手術既往の有無(p=0.03),抗体導入時のCRP(p=0.04)が有意差を認め,多変量解析では,抗体導入期間(p=0.007),外科手術既往の有無(p=0.01),抗TNF-α抗体導入時のCRP(p=0.003)が抗体の効果予測因子として統計学的有意差を認めた.Kaplan-Meier法による検討では手術既往有が約1000日,既往無が1500日で50%が2次無効となった.導入時CRP低値群では約1500日,高値群では約1200日で50%が2次無効となった.【結論】抗体導入期間,外科手術既往の有無,抗TNF-α抗体導入時のCRPが効果予測因子であった.今後も更なる長期予後に関わる因子を検討する必要がある.
索引用語 クローン病, 2次無効