セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病4)

タイトル 消P-444:

当院のクローン病に対するinfliximab維持投与療法の現状

演者 金城 徹(琉球大附属病院・光学医療診療部)
共同演者 島袋 耕平(琉球大附属病院・光学医療診療部), 富里 孔太(琉球大附属病院・光学医療診療部), 仲松 元二郎(琉球大附属病院・光学医療診療部), 宮里 公也(琉球大附属病院・光学医療診療部), 大平 哲也(琉球大附属病院・光学医療診療部), 伊良波 淳(琉球大附属病院・1内科), 東新川 実和(琉球大附属病院・1内科), 武嶋 恵理子(琉球大附属病院・光学医療診療部), 小橋川 ちはる(琉球大附属病院・光学医療診療部), 岸本 一人(琉球大附属病院・1内科), 仲本 学(琉球大附属病院・1内科), 平田 哲生(琉球大附属病院・1内科), 金城 渚(琉球大附属病院・光学医療診療部), 外間 昭(琉球大附属病院・1内科), 金城 福則(琉球大附属病院・光学医療診療部), 藤田 次郎(琉球大附属病院・1内科)
抄録 【はじめに】クローン病においてinfliximab(IFX)の登場により,患者QOLの向上に寄与しているのは言うまでもない.しかし,寛解導入後維持目的にIFXを投与している症例には,再燃をきたし手術を要する症例も少なからず存在する.今回は当院におけるIFX維持投与療法の現状を検討して報告する.【対象と方法】2002年5月~2012年8月の間に当院でIFXによる寛解導入後,維持投与療法を行った72例について再燃率や手術率,またそれらに関連する因子(性/IFX導入契機/IFX導入年齢/IFX導入までの罹患期間/栄養療法/免疫調節剤/5ASA)について後方視的に検討した.寛解はCDAI 150未満かつCRP 1.0mg/dl未満,再燃はCDAI 150以上またはCRP 1.0mg/dl以上と定義した.IFX導入契機は病態コントロール目的(A群)と術後再燃予防目的(B群)とに分けた.男女比52:20.平均発症年齢23.7±8.7歳.平均IFX導入年齢32.2±11.7歳.観察期間中央値49ヶ月(8~95ヶ月).【結果】再燃率47.2%(34/72例).手術率25.0%(18/72例).再燃群34例において,IFX導入契機であるA群(85.3%:29/34例)がB群(14.7%:5/34例)に比し有意に再燃率が高く(p=0.0096),他の因子は有意差を認めなかった.手術群18例においてもIFX導入契機であるA群(94.4%:17/18例)がB群(5.6%:1/18例)に比し有意に手術率が高く(p=0.0076),他の因子は有意差を認めなかった.【考察】栄養療法や5ASAでコントロールできない状態でのIFX導入よりも,病変部の切除や狭窄形成術をすることで寛解に近い状態でのIFX導入が再燃率や手術率を低くすることが分かった.しかし臨床現場で術後全ての症例にIFXを投与することはover treatmentの症例も含まれている可能性があり,術後のIFX投与適応例を選別するには,引き続き症例を集積し検討する必要がある.
索引用語 クローン病, infliximab