セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(潰瘍性大腸炎1)
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タイトル |
消P-447:当院における最近のIBD合併妊娠出産11例の検討
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演者 |
菊池 英純(青森県立中央病院・消化器内科DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学) |
共同演者 |
宮澤 邦昭(弘前大大学院・消化器血液内科学), 高橋 一徳(青森県立中央病院・消化器内科DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学), 島谷 孝司(青森県立中央病院・消化器内科DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学), 伊藤 智子(青森県立中央病院・消化器内科), 金澤 浩介(青森県立中央病院・消化器内科), 沼尾 宏(青森県立中央病院・消化器内科), 棟方 正樹(青森県立中央病院・消化器内科), 福田 眞作(弘前大大学院・消化器血液内科学) |
抄録 |
【目的】炎症性腸疾患(IBD)は,分子標的薬に代表される治療の進歩により病状を適切にコントロールすることで安全な妊娠出産が可能となっている.内科医は適齢期の患者に対し妊娠も考慮した診療が求められる.今回我々は最近3年間に当院で出産した9症例11出産について,内科的な視点からその経過と問題点を検討した.【方法】2009年1月から2012年12月までに当院で出産した潰瘍性大腸炎(UC)6症例8出産とクローン病(CD)3症例3出産を対象とした.IBD合併妊娠の母体に対する影響は,UC症例では妊娠前,初期,後期,出産後のCAIを評価した.CD症例は3例とも手術歴がありCRPで評価した.また胎児に対する影響は,出産週数,児体重,アプガースコアで評価した.【成績】UC合併妊娠では妊娠前CAI2.1で,妊娠初期3.0,後期4.1と上昇し,出産後は2.5に低下した.2例で副腎皮質ステロイドの使用,1例が絶食点滴を要し,更に1例で妊娠高血圧を併発した.平均の入院日数11.5日,出産週数39週5日,児体重2824g,アプガースコア8.6/9.3であった.絶食症例はダウン症の鎖肛児を出産,妊娠高血圧例は児1978gで出産した.CD合併妊娠では2例が抗TNFα抗体を使用していた.CRPは妊娠前0.60,妊娠初期0.75,後期1.89と上昇し,出産後は0.52に低下した.平均の入院日数62日,出産週数36週5日,児体重2492g,アプガースコア7.7/9.0であった.短腸・狭窄・痔瘻膣瘻を有する1例は,妊娠18週に腹腔内膿瘍を合併して入院となり,抗TNFα抗体使用下でリステリア感染症を続発した.31週で緊急帝王切開となり,1268gの極低出生体重児を出産した.膣瘻を有する1例は事前に人工肛門造設し経過は安定,3390gの児を出産した.【結論】UC,CDとも妊娠後期に病勢が悪化する傾向がみられ出産後は改善した.特にCDでは妊娠前の病勢が経過を大きく左右した.IBD合併妊娠中の感染症は胎児への影響が大きく,抗TNFα抗体投与には細心の注意が必要である. |
索引用語 |
IBD, 妊娠 |