セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎1)

タイトル 消P-449:

潰瘍性大腸炎に対するインフリキシマブ療法の有用性についての検討-北九州多施設共同研究(TRUST-K) 第2報

演者 芳川 一郎(産業医大病院・内視鏡部)
共同演者 渡邊 龍之(産業医大・3内科), 久米 恵一郎(産業医大・3内科), 原田 大(産業医大・3内科), 秋穂 裕唯(北九州市立医療センター・消化器内科), 宗 祐人(戸畑共立病院・内科), 山縣 元(国立小倉医療センター・消化器科), 吉田 隆亮(吉田内科胃腸科医院), 藤澤 聖(九州厚生年金病院・内科), 板場 壮一(九州労災病院・内科), 櫻井 俊弘(町立芦屋中央病院)
抄録 【目的】2010年6月に潰瘍性大腸炎(UC)に対してインフリキシマブ(IFX)が承認された.日本国内において,IFXによる長期データは乏しく,さらに医療圏を対象とした報告は殆ど見られない.北九州エリアにおけるUCに対するIFX治療の有用性について検討した.
【対象・方法】北九州エリア12施設でUCに対してIFXによる治療が行われた51症例の治療状況を検討した.有効性評価は,治療開始8週後,6ヶ月後,12ヶ月後におけるMayoスコアの他,各種パラメータを検討した.欠損値に対しては LOCF(Last Observational Carried Forward)法を用いて解析を行った.
【患者背景】51例の男女比は約1:1,平均年齢43.1±17.4歳,平均罹病期間6.5±6.9年,平均体重55.8±9.4kgであった.病型分類は左側大腸炎24例(47.1%),全大腸炎25例(49.0%)で,重症度は軽症2例(3.9%),中等症40例(78.4%),重症9例(17.6%)であった.ステロイド抵抗例18例(36.7%),依存例24例(49.0%),ナイーブ例6例(12.2%)であった.
【結果】8週後および12ヶ月後におけるMayoスコア改善率は,それぞれ75.0%,88.9%であった.Mayoスコアによる重症度分類は,それぞれ寛解29.2%,38.9%,軽症50.0%,41.7%と改善した.医師による全般改善度は著明改善がそれぞれ45.8%,38.8%,改善29.2%,30.6%であった.ステロイド服用量は中央値25.0mgから8週8.75mg,6ヶ月0mg,12ヶ月0mgへと減少した.
【結語】IFX投与における明らかな有効性を認めた.今後,更に多数例の検討を加え,IFXの反応性予測因子を含め,検証予定である.
索引用語 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ