セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎1) |
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タイトル | 消P-450:当院における高齢発症潰瘍性大腸炎の治療成績と問題点 |
演者 | 梅村 賢(みやぎ県南中核病院・消化器科) |
共同演者 | 高橋 貴一(みやぎ県南中核病院・消化器科), 玉川 空樹(みやぎ県南中核病院・消化器科), 油井 理恵子(みやぎ県南中核病院・消化器科), 藤坂 泰之(みやぎ県南中核病院・消化器科), 洞口 愛(みやぎ県南中核病院・消化器科), 阿曽沼 祥(みやぎ県南中核病院・消化器科), 飯岡 佳彦(みやぎ県南中核病院・消化器科), 大沼 勝(みやぎ県南中核病院・消化器科), 三浦 雅人(みやぎ県南中核病院・消化器科) |
抄録 | 【背景】全体的な患者高齢化に伴い高齢発症潰瘍性大腸炎患者数も増加傾向であるが,高齢発症潰瘍性大腸炎の治療成績や問題点を検討した報告は少ない.【目的】高齢発症潰瘍性大腸炎の治療成績と問題点を明らかにすること.【対象】当院で治療中の潰瘍性大腸炎患者のうち発症年齢が65才以上であった6例(男性4例,女性2例,平均発症年齢74.3(66-82)才,平均観察期間38.0(4-70)カ月).【方法】対象の臨床背景(併存疾患の有無,病型,臨床的重症度)と治療成績(寛解導入療法と維持療法の内訳,寛解導入率,寛解維持率)を検討した.【成績】対象は全例併存疾患を認めた.病型は直腸炎型2例,左側大腸炎型1例,全大腸炎型3例で臨床的重症度は軽症2例,中等症3例,重症1例であった.軽症,中等症例における初発時寛解導入療法は全例5-ASA製剤を使用していた.他にステロイド併用2例,血球成分除去療法併用1例施行した.重症例はサイトメガロウイルス腸炎を併発しており,ステロイド強力静注療法,血球成分除去療法,ガンシクロビル点滴静注を併用し寛解導入した.対象の寛解導入率は100%であった.維持療法は全例5-ASA製剤を使用していた.他にステロイド併用2例,アザチオプリン併用1例施行した.寛解維持率は33.3%で,再燃4例のうち3例は5-ASA製剤増量あるいは治療法追加で再度寛解導入した.1例は軽度認知症症例で薬剤の飲み忘れや自己判断による治療中断が原因で,家族含めた服薬指導施行し再度寛解導入した.【考察】本検討での高齢発症潰瘍性大腸炎患者は半数が全大腸炎型であった.全例寛解導入可能も重症例が含まれていた.高齢者における重症潰瘍性大腸炎緊急手術例の生命予後は不良であり,外科と綿密に連携した治療が必要である.また,併存疾患に留意することや服薬コンプライアンス不良による再燃リスクを念頭に入れた診療が重要であると考えられた. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 高齢発症 |