セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎2) |
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タイトル | 消P-458:潰瘍性大腸炎患者に対する新規メサラジン製剤(メサラジン腸溶剤)の治療成績と服薬コンプライアンス |
演者 | 諸星 雄一(横浜市立市民病院・消化器内科) |
共同演者 | 小池 祐司(横浜市立市民病院・消化器内科), 今村 諭(横浜市立市民病院・消化器内科), 伊藤 剛(横浜市立市民病院・消化器内科), 角田 裕也(横浜市立市民病院・消化器内科), 田村 寿英(横浜市立市民病院・消化器内科), 長久保 秀一(横浜市立市民病院・消化器内科), 藤田 由里子(横浜市立市民病院・消化器内科), 小松 弘一(横浜市立市民病院・消化器内科) |
抄録 | 【背景・目的】軽・中等症の潰瘍性大腸炎(UC)に対する基本薬は5-ASA製剤である.2009年12月に大腸へのドラッグデリバリーを持ち,より副作用の少ないPH依存型メサラジン放出調節薬剤(商品名:アサコール)が承認となり,当科でも総例71人に使用した.そこで,既存の5-ASA製剤(サラゾスルファピリジン:SASP,メサラジン徐放錠)との比較を副作用・治療成績・服薬コンプライアンスの点から検証した.【方法】臨床的活動スコア(CAI)はRachimilewitz indexにて評価した.1)挙児能を持ち,SASPを内服中のUC寛解期の男性患者15人にアサコールを導入した.平均CAIは1.12であった.2)従来の5-ASA製剤を服用していたUC患者が再燃し,従来ならステロイド治療等,別の治療を選択してきた症例40人(SASP 22人,メサラジン徐放錠22人,平均CAI:5.65)にアサコール3600mgを導入した.3)従来のメサラジン製剤からアサコールを試用した57人のUC患者に,どちらの薬の継続を希望するか理由も含めてアンケートを行った.【成績】1)アサコールには問題なく切り替えが可能であった.経過中2人の挙児が確認された.2)4週間後の判定にて奏功例が57%であり,寛解導入まで至った著効例が50%であった.平均CAIは3.65であり,統計学的有意差(p<0.001)をもって有効性が確認できた.また,SASP4000mg(16人)やメサラジン徐放錠4000mg(9人)と比較しても効果が確認できた.3)SASPからの切り替え33人では20人がアサコールを,7人がSASPを選択された.メサラジンからの切り替え24人ではアサコールが10人,メサラジン徐放錠が2人でであった.【結論】新規メサラジン製剤(メサラジン腸溶剤)は,効果・副作用・服薬コンプライアンスの点からも有用な薬であることが示唆された. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 5-ASA |