セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(潰瘍性大腸炎3)
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タイトル |
消P-461:家系内発症した潰瘍性大腸炎2家系の検討
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演者 |
小坂 俊仁(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科) |
共同演者 |
芳野 純治(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 乾 和郎(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 若林 貴夫(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 小林 隆(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 三好 広尚(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 友松 雄一郎(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 山本 智支(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 松浦 弘尚(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 成田 賢生(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 鳥井 淑敬(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 森 智子(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 細川 千佳生(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 黒川 雄太(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 安江 祐二(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 渡邉 昌俊(横浜国立大大学院・工学研究院) |
抄録 |
【目的】今回われわれは家系内発症した潰瘍性大腸炎(UC)の2家系を経験したので,その臨床的特徴と遺伝的背景を検討した.【家系1】症例は56歳,女性.平成13年11月に下血を主訴に近医受診し,下部消化管内視鏡検査(CS)にて直腸型のUCと診断された.平成15年8月のCSでS状結腸にまで病変を認め,左側結腸型への移行を認めた.厚生労働省の研究班による診断基準では本症例の罹患範囲は左側結腸型であり, 重症度は中等症,臨床経過による病型は再燃緩解型であった. 症例の娘は22歳で平成24年9月に腹痛,下血あり,他院のCSにて全大腸型のUCと診断された.重症度は軽症で臨床経過による病型は初回発作型であった. 症例および娘の遺伝子多型解析の結果,両者ともSOD2遺伝子のAla-9Val多型およびNQO1遺伝子のC609T多型についてC/T遺伝子型を有していた.【家系2】症例は43歳,女性. 昭和55年に近医にて全大腸炎型のUCと診断された. 以後も症状の再燃を繰り返し,診断基準による重症度は重症, 臨床経過による病型は再燃緩解型であった. 症例の息子は20歳で平成21年10月に腹痛,下痢を認め当院を受診し,CSにて左側結腸型のUCと診断された. 平成22年8月CSにて全大腸にわたり発赤を認め,全大腸型への移行を認めた. 罹患範囲は全大腸型で,重症度は中等症,臨床経過による病型は慢性持続型であった.症例の遺伝子多型解析ではSOD2遺伝子のAla-9Val多型およびNQO1遺伝子のC609T多型はC/T遺伝子型を認めた.息子については現在解析中である.【考察】SOD2およびNQO1遺伝子多型のC/T遺伝子型を有するとSOD2およびNQO1の活性が低下して酸化ストレスが十分に抑制されないことがUCの病態に関連することを以前われわれは報告している. 家系内発症したUC症例は2家系ともSOD2およびNQO1遺伝子多型のC/T遺伝子型を有していたので報告する. |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, 家系内発症 |