セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎4) |
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タイトル | 消P-468:潰瘍性大腸炎に併発した大腸癌の臨床的背景に関する検討 |
演者 | 内山 和彦(京都府立医大・消化器内科) |
共同演者 | 高木 智久(京都府立医大・消化器内科), 鈴木 建太郎(京都府立医大・消化器内科), 堀江 秀樹(京都府立医大・消化器内科), 上原 有紀子(京都府立医大・消化器内科), 福田 亘(京都府立医大・消化器内科), 稲田 裕(京都府立医大・消化器内科), 飯田 貴弥(京都府立医大・消化器内科), 堅田 和弘(京都府立医大・消化器内科), 鎌田 和浩(京都府立医大・消化器内科), 半田 修(京都府立医大・消化器内科), 保田 宏明(京都府立医大・消化器内科), 阪上 順一(京都府立医大・消化器内科), 小西 英幸(京都府立医大・消化器内科), 八木 信明(京都府立医大・消化器内科), 内藤 裕二(京都府立医大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】潰瘍性大腸炎において遷延する炎症や,それに伴って繰り返される粘膜の再上皮化はcolitic cancer発症の危険性を増加させることが報告されている.今回,当院での潰瘍性大腸炎(UC)患者を背景とした大腸癌の経過をまとめ,UCのサーベイランスにおける注意点を検討した.【対象・方法】対象は過去5年間で1年以上の通院歴がある当院消化器内科外来通院中のUC患者234例とし,大腸癌を発症した症例においてその臨床的背景を検討した.【結果】8症例(12病変)が,UCの経過観察中に大腸癌を発症した.それらの症例のUC平均罹病期間は19.4年であり,大腸癌非発症226症例の平均罹病期間10.6年より長かった.全12病変中,深達度は粘膜内癌3病変,sm浸潤癌3病変,mp以深の進行癌6病変であった.全症例中,発症からの経過が10年以上の症例で大腸癌非発症例は60症例であり,これらの症例を大腸癌発症症例と比較した.全大腸炎型,ステロイド使用歴の割合は大腸癌発症群で有意に高かった.また,5-ASA製剤の平均使用量は大腸癌発症群で1812.5mg/day,非発症群で2156.9mg/dayであり,非発症群で有意に高い値であった.アザチオプリンの使用率に関しては両群間で有意な差を認めなかった.また,大腸癌発症例のうち,定期的に大腸内視鏡検査でフォローアップされていたのは3例であったが,そのうちの2例は進行癌で発見された.残りの癌発症症例5例はいずれも不定期なフォローアップだが,2例は早期癌での発見であった.【結論】当院におけるUC患者の大腸癌併発例の検討からは,全大腸炎型,罹病期間10年以上,5-ASA製剤使用量が少なく,ステロイド使用歴のあるUC患者において注意深いサーベイランスが必要であると考えられた.また,サーベイランスの期間や方法に関しては今回の検討では一定の傾向が得られず,今後さらなる検討が必要であると考えられた. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 大腸癌 |