セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎5)

タイトル 消P-471:

HBVキャリア/既往感染合併の炎症性腸疾患におけるGMAの安全性の検討

演者 生方 聡史(済生会中津病院・消化器内科)
共同演者 福知 工(済生会中津病院・消化器内科), 伊藤 大(済生会中津病院・消化器内科), 黒澤 学(済生会中津病院・消化器内科), 岩坪 太郎(済生会中津病院・消化器内科), 長谷 善明(済生会中津病院・消化器内科), 安冨 栄一郎(済生会中津病院・消化器内科), 古賀 英彬(済生会中津病院・消化器内科), 川口 真平(済生会中津病院・消化器内科), 上田 綾(済生会中津病院・消化器内科), 仙田 花実(済生会中津病院・消化器内科), 江口 考明(済生会中津病院・消化器内科), 田中 敏雄(済生会中津病院・消化器内科), 大橋 理奈(済生会中津病院・消化器内科), 山下 博司(済生会中津病院・消化器内科), 蘆田 潔(済生会中津病院・消化器内科)
抄録 【目的】HBVキャリア/既往感染の炎症性腸疾患(IBD)にステロイド,生物学的製剤を含む免疫抑制剤による治療をそのまま行った時,HBV再活性化が起こる場合があり肝機能障害が出現/増悪し,劇症肝炎となれば死亡の報告もある.本邦の現在のガイドラインでHBVキャリア/既往感染の炎症性腸疾患(IBD)に生物学的製剤を含む免疫抑制剤の治療を行う場合は核酸アナログ製剤の併用が必要になり,そうなれば核酸アナログの投与は永続的になる可能性がある.また顆粒球単球除去療法(GMA)のHBV再活性化への影響は明らかではない.今回,HBVキャリア/既往感染の炎症性腸疾患(IBD)でのGMAの安全性の検討を行った.【方法】対象はHBVキャリア/既往感染の活動期IBD5例(UC2例(CAI≧5), CD3例(CDAI≧150))である.これらに核酸アナログの投与を行わずにGMA(weekly 1例,intensive4例)を行い治療中,治療後にAST,ALT,HBV-DNAを測定しHBVキャリア/既往感染への影響を検討した.【結果】ASTの変動は(GMA前→GMA5sessions目→10session目→GMA終了後)で(26→42→22→20), ALTは (26→64→24→21)(U/L)で治療中,治療後ともに有意な変動はなかった.HBVキャリア4例のHBV-DNAは(GMA前→GMA終了後)2.6→2.4log copy/mlであり,AST,ALTともに増悪はなかった.HBV既往感染1例はGMA後もHBV-DNAは陰性で,AST,ALTは正常であった.UC2例は1例response(CAI16→5),1例増悪し手術で,CD3例は全例寛解導入(CDAI<150)した.【結論】GMAはHBVキャリア/既往感染のIBDに影響を及ぼさない治療法である可能性が示唆された.すなわちGMA はHBVキャリア/既往感染のIBD治療において5-ASA,栄養療法の次に位置づけされるべきと考えている.
索引用語 炎症性腸疾患, GMA