セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎5)

タイトル 消P-474:

当院における潰瘍性大腸炎関連colitic cancerの現況

演者 小野 陽平(今村病院・消化器内科DELIMITER鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 大井 秀久(今村病院・消化器内科), 宮田 生弥子(今村病院・消化器内科DELIMITER鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 鮫島 洋一(今村病院・消化器内科DELIMITER鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 水流 弘文(今村病院・消化器内科), 徳元 攻(今村病院・消化器内科), 牧野 智礼(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 佐々木 文郷(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 上村 修司(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 瀬戸山 仁(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 船川 慶太(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 藤田 浩(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 沼田 政嗣(鹿児島大医学部・歯学部附属病院・光学医療診療部), 宇都 浩文(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大大学院・消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【はじめに】潰瘍性大腸炎(UC)の治療は従来5-ASA製剤,ステロイド剤が治療の中心であったが,近年免疫調節剤,生物学的製剤等の新規治療が行われるようになった.一方,内科治療の改善に伴い発症後長期間経過する例が増加し,その発癌のリスクが問題となっている.今回,当院におけるUC関連colitic cancer症例の現況を報告する.【症例】当院で加療中のUC患者264例(男女比124/140,平均発症年齢35.5歳,平均罹病期間10.9年)のうち,UC関連colitic cancerを発症したのは6例(2.3%)であった.6例の男女比は3/3,UC発症年齢は平均39.17歳 (26~67歳),colitic cancer診断までの罹病期間は平均14.8年(8~25年,3例は10年未満),病型は慢性持続型/再燃緩解型がそれぞれ3例,罹患範囲は全結腸/左半結腸が2例/4例であった.colitic cancer診断までの治療歴は,全例で5-ASA製剤,ステロイド剤の使用歴があり,アザチオプリンが1例,血球成分除去療法が1例,インフリキシマブ,タクロリムス,シクロスポリンの使用歴はなかった.6例中3例は内科的治療により臨床的寛解を得られていたが,colitic cancer診断時に粘膜治癒を得られていた症例はなかった.colitic cancer診断後4例が大腸全摘術を施行し,1例が手術予定,1例は患者希望で免疫療法等を行っている(他医).手術を行った4例のうち3例は無再発生存中,1例再発し化学療法中である.【まとめ】当院におけるUC関連colitic cancer症例を報告した.6例全例で粘膜治癒が得られておらず,近年提唱されているsustained deep remissionが発癌抑制においても重要と考えられた.また,罹病期間が10年未満のものが半数あり,活動性の持続する症例においては短い罹病期間中での癌発症を考慮する必要があると考えられた.
索引用語 潰瘍性大腸炎, colitic cancer