セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎5) |
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タイトル | 消P-477:サイトメガロウイルス再活性化を合併した潰瘍性大腸炎の治療経過と予後 |
演者 | 只野 敏浩(東北大病院・消化器内科) |
共同演者 | 遠藤 克哉(東北大病院・消化器内科), 川上 瑶子(東北大病院・消化器内科), 奈良 志博(東北大病院・消化器内科), 平本 圭一郎(東北大病院・消化器内科), 松下 勝則(東北大病院・消化器内科), 宮澤 輝子(東北大病院・消化器内科), 下平 陽介(東北大病院・消化器内科), 長澤 仁嗣(東北大病院・消化器内科), 諸井 林太郎(東北大病院・消化器内科), 志賀 永嗣(東北大病院・消化器内科), 高橋 誠一(東北大病院・消化器内科), 木内 喜孝(東北大高等教育開発推進センター), 下瀬川 徹(東北大病院・消化器内科) |
抄録 | 【背景】サイトメガロウイルス(CMV)再活性化を合併した潰瘍性大腸炎(UC)に対する抗ウイルス薬投与の適応について十分なコンセンサスは得られていない.当院ではCMV再活性化が見られた場合,背景のUC治療に反応不良であることを前提に抗ウイルス薬投与を考慮するが,その際,発熱・肝障害の有無,腸管局所からのCMVの証明の有無,内視鏡的な深掘れ潰瘍の有無等を参考に総合的に投与適応を判断している.今回,当院でのCMV再活性化を合併したUCの治療経過と予後の現状について検討した.【方法】対象は2008年4月から2013年1月の期間に中等症以上のUCにて当院に入院した69例(男性43例,女性26例).CMVの再活性化をCMV Antigenemia(Ag)陽性または腸管局所からの証明(病理組織学的証明またはCMV-PCR陽性)と定義し,再活性化陽性群(以下CMV陽性群とする)の内科的治療法と短期的手術率を検討した.【結果】CMV陽性群は69例中19例(27.5%)であった.CMV陽性群:陰性群における背景因子は平均年齢47.4歳:35.3歳(p=0.018),重症例31.6%(6/19例):26.0%(13/50例)であった.再活性化診断の内訳はCMV Agのみ陽性13例,腸管局所のみ陽性1例,両者陽性5例であった.ガンシクロビル(GCV)投与は,CMV Agのみ陽性の13例中6例で,腸管局所のみ陽性の1例中1例で,両者陽性の5例中3例で行われた.CMV陽性群にて手術に至った症例は26.3%(5/19例),一方CMV陰性群で手術に至った症例は28%(14/50例)であり両群間に有意差はなかった.【考察】CMV再活性化症例でGCVを投与せずとも経過良好で手術を回避できる症例が少なからず見られる.GCVの投与はCMV再活性化を認めた全例で必要となるのではなく,現行治療への反応性などを指標として総合的に判断すべきと考えられた. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, サイトメガロウイルス |