セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎6)

タイトル 消P-478:

当院におけるメサラジン製剤治療の現状と課題~時間依存性放出5-ASA製剤4g投与例の臨床経験を中心に~

演者 玉置 敬之(高松赤十字病院・消化器科)
共同演者 森岡 弓子(高松赤十字病院・消化器科), 野田 晃世(高松赤十字病院・消化器科), 上田 祐也(高松赤十字病院・消化器科), 宮本 由貴子(高松赤十字病院・消化器科), 野上 明子(高松赤十字病院・消化器科), 吉岡 正博(高松赤十字病院・消化器科), 石川 哲朗(高松赤十字病院・消化器科), 小川 力(高松赤十字病院・消化器科), 松中 寿浩(高松赤十字病院・消化器科), 柴峠 光成(高松赤十字病院・消化器科)
抄録 【背景】本邦での潰瘍性大腸炎(UC)に対する経口5-ASA製剤治療は用量・投薬方法等による治療のバリエーションが拡がっている.一方寛解導入量の維持期間など一定の見解が得られていない点も多く,今回我々は5-ASA製剤治療に関する課題を明確にするため当院における5-ASA製剤治療の現状をレトロスペクティブに解析した.【方法】当院加療中のUC患者140例のメサラジン製剤投与状況を解析し時間依存性放出5-ASA製剤4gを用いた49例における他剤併用状況,重症度・病型別改善率,寛解導入例38例における用量減量状況・各用量における寛解維持率を検討した.【成績】時間依存性製剤66.4%,pH依存性製剤21.4%,サラゾスルファピリジン9.3%で投与されていた.時間依存性製剤の52.7%で4gが投与されそのうち31.4%で5-ASA注腸,27.4%でベタメタゾン坐剤が併用されていた.16週間後の検討では改善率は64.8%であり37.3%で減量され寛解維持されていた.5-ASA単独治療例では改善率76.2%,ペンタサ注腸併用群では50%,リンデロン座薬併用群では64.3%であった.軽症で68.4%,中等症では52.9%,直腸炎型で76.2%,左側大腸炎型で56.5%,全大腸炎型で57.2%であった.寛解導入例では観察期間166週で寛解維持率40.1%であった.57.9%で3g,23.7%で2gに減量されており4g維持投与群では観察期間56週で寛解維持率0%,3g群では166週で59.2%,2g群では116週で37.1%であった.【結論】時間依存性放出5-ASA製剤の4g投与は全ての病型で有効であると考えられたが,直腸炎型で最も改善率が高かった.他剤併用群,4g 維持投与群では改善率・寛解維持率が低かったが,これは当院では治療抵抗例に対して他剤併用・寛解導入後の4g投与継続を多く行っているためと思われた.寛解導入後の寛解導入用量維持の効果・期間の検討にはケースコントロールを行った検討が必要と考えられた.
索引用語 潰瘍性大腸炎, 5-ASA