セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎6) |
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タイトル | 消P-479:当院における潰瘍性大腸炎に対するタクロリムス治療 |
演者 | 佐藤 真司(済生会横浜市東部病院・消化器内科) |
共同演者 | 牧野 博之(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 鈴木 雄太(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 渕之上 和弘(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 佐藤 綾(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 馬越 智子(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 米田 将隆(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 建持 岳史(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 大久保 雄介(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 森 孝之(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 山室 渡(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 森田 宏(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 倉形 秀則(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 永井 英成(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 五十嵐 良典(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 住野 泰清(東邦大医療センター大森病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】タクロリムスが潰瘍性大腸炎(UC)への使用認可され,これまでの使用経験から投与開始後早期に高トラフに到達させ,それを一定期間維持することが肝要であることが明らかになってきた.しかし院外機関での濃度測定依頼が必要な施設では結果が判明するまで数日時間を必要とする.今回我々は院内でタクロリムスの血中濃度測定外注で行う施設に合致した投与法を行い,その有効性を評価した.【方法】当院で以下の方法にてタクロリムスを導入した活動期UC患者10例(男6例 女4例 平均年齢42.3±9.9歳)を対象として治療前後のDAI,内視鏡所見を治療前後で比較検討した.初期投与量: 0.05mg/kg/回(絶食患者では0.04mg/kg/回)から開始する.投与開始をD1としてD3に濃度測定しD6から用量調整,以降同様の間隔で用量調整する.高トラフ期の計算式はDnew=Dold×12.5/C (D:1回投与量 C:血中濃度) 高トラフに到達したのが確認された日から最低2週間は維持するように定点観測をしてゆく.高トラフにて2週間以上の維持が確認されたらその次からは低トラフを目標にする(Dnew=Dold×7.5/C). 【成績】投与開始4週間で10例全ての患者のDAIは低下し,有効率(DAI≦3またはΔDAI>5)は80%であった.ほとんどの症例でタクロリムス投与後早期に目標トラフに到達し,下部消化管内視鏡画像においても良好な粘膜治癒が得られる傾向にあった.重篤な副作用は認なかったが血中濃度が上昇しすぎる例も一部存在した.【結語】今回我々がUCに対して行った投与法は早期に高トラフに持ち込むことが可能であり,その結果良好な寛解導入が得られる可能性があった.今後も一般臨床における投与法を検討し,より使いやすい薬剤を目指して症例を蓄積する必要があると考えられた. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, タクロリムス |