セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(潰瘍性大腸炎6)
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タイトル |
消P-481:潰瘍性大腸炎患者におけるInfliximabの治療成績の現状
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演者 |
高橋 麻依(東京女子医大・消化器病センター消化器内科) |
共同演者 |
飯塚 文瑛(東京女子医大・消化器病センター消化器内科), 合阪 暁(東京女子医大・消化器病センター消化器内科), 伊藤 亜由美(東京女子医大・消化器病センター消化器内科), 大森 鉄平(東京女子医大・消化器病センター消化器内科), 米澤 麻利亜(東京女子医大・消化器病センター消化器内科), 中村 真一(東京女子医大・消化器病センター消化器内科), 白鳥 敬子(東京女子医大・消化器病センター消化器内科) |
抄録 |
【目的】Infliximab(IFX)が難治性潰瘍性大腸炎(UC)に及ぼす治療効果とIFX有効と無効の差異について検討した.【対象と方法】IFXがUCの保険適応となった2010年6月から2013年3月までの間に当院で4回以上IFXを投与した中等症以上の活動期UC患者19例のうち,他施設で導入寛解維持された2例と初回投与直後に感染症を合併した1例,大腸亜全摘後に導入した1例を除いた15例(男性11例,女性4例,平均年齢27.1±11.5歳,平均罹病期間10.1±10年)を対象とし,IFX投与開始後14週の時点で有効群と無効群の2群に群別化し,背景因子と投与前と2週の活動性と血液検査で評価を行った.活動性はLichtiger’s clinical activity index(CAI)とItems included in the endoscopic activity(EAI)とcolonoscopic activity index(CSAI)で評価し,CAI≦4を寛解とし,寛解またCAI<10かつ4point減を有効,それ以外を無効とした.【成績】 14週時点のIFX有効群は12例(80%)[中等症9例,重症2例,PSL依存性10例,抵抗性2例,慢性持続型7例,再燃寛解型5例],無効例は3例(20%)[全例が重症かつPSL抵抗性,慢性持続型]であった.有効群の初回投与から2週目の各項目の平均値変化は,CAI:9.92→4.42(-5.5),CSAI:6.15→3.23(-2.92),EAI:11.6→6.91(-4.69),CRP:0.40→0.16mg/dl(-0.24),Hb:13.29→13.26mg/dl(-0.03)であり臨床症状と疾患活動性(内視鏡所見,CRP)の改善を認めた.無効群ではCAI:11→15.3(+4.3),CSAI:11→15.3(+4.3),EAI:11.3→13.6(+2.3),CRP:1.20→1.69mg/dl(+0.49),Hb:9.17→8.0mg/dl(-1.17)であり,臨床症状と疾患活動性の増悪,貧血の進行を認め,IFX初回投与後に1例,2回投与後に2例が症状悪化またはIFX治療効果が乏しいと判断し外科手術となった.【結論】IFX治療反応の成績は有効率は2週67%,14週80%,寛解率は2週53%,14週60%であった.IFXは中等症で再燃寛解型かつCAI,CRP低値,Hb高値の症例に有効であった. |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, IFX |