セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎7) |
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タイトル | 消P-485:潰瘍性大腸炎の寛解導入において顆粒球吸着除去療法(G-CAP)はどのような症例に有効か? |
演者 | 濱中 紳策(社会保険船橋中央病院・内科) |
共同演者 | 石神 秀昭(社会保険船橋中央病院・内科), 八木 明男(社会保険船橋中央病院・内科), 鶴田 晋佑(社会保険船橋中央病院・内科), 網仲 真理(社会保険船橋中央病院・内科), 土屋 慎(社会保険船橋中央病院・内科), 白井 嘉彦(社会保険船橋中央病院・内科), 笠貫 順二(社会保険船橋中央病院・内科), 加藤 佳瑞紀(社会保険船橋中央病院・内科), 勝野 達郎(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 横須賀 收(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学) |
抄録 | 【目的】潰瘍性大腸炎(以下UC)の寛解導入においては,5-aminosalicylic acid(以下5-ASA)製剤,ステロイド投与が主流であるが,ステロイドの全身投与は副作用が問題となり,より副作用の少ない治療が求められている.その現状を踏まえ,副作用の少ない治療法として注目されている顆粒球吸着除去療法(以下G-CAP)により,ステロイドの全身投与なしに寛解導入できた症例の特徴を評価した.【方法】当院において2008年~2012年まで寛解導入療法としてG-CAPを施行された,左側結腸炎型または全結腸炎型で中等症以上のUC患者41例をretrospectiveに評価し,G-CAPと5-ASAのみで寛解導入出来た群(CAP単独群,n=17)とステロイド全身投与の併用を要した群(ステロイド併用群,n=24)の2群に分け,年齢,病悩期間,重症度,clinical activity index(以下CAI),ステロイド投与歴の有無,感染性腸炎合併の有無,内視鏡所見等の項目につき比較検討し,G-CAP有効例の特徴を評価した.【成績】CAP単独群はステロイド併用群に比して,中等症症例が多い(CAP単独群/ステロイド併用群:88.2%/58.3%),ステロイドナイーブ症例が多い(64.7%/37.5%),感染性腸炎の合併が少ない(11.8%/25.0%),Cytomegalovirus感染例が少ない(0.0%/12.5%),潰瘍形成例が少ない(29.4%/70.8%)という傾向にあった.特に深掘れ潰瘍を有する例はG-CAP単独では寛解導入に至らなかった例が多く,潰瘍形成を認める症例は初期治療としてのG-CAPの適応を適切に評価することの必要性が示唆された.一方で,病悩期間や男女比,治療前のCAI,初回発作型か否かについては両群間に差を認めなかった.【結論】G-CAP単独でUC寛解導入が可能となる症例の臨床的特徴が明らかになりつつあるが,そのような症例に対しては,寛解導入においてG-CAPはステロイド全身投与に先立つ治療となり得ることが示唆された. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 顆粒球吸着除去療法 |