セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎7)

タイトル 消P-488:

Effect expectation factor of the tacrolimus therapy in the ulcerative colitis

演者 伊藤 亜由美(東京女子医大)
共同演者 大森 鉄平(東京女子医大), 飯塚 文瑛(東京女子医大), 高橋 麻依(東京女子医大), 合阪 暁(東京女子医大), 米澤 麻理亜(東京女子医大), 白鳥 敬子(東京女子医大), 番場 嘉子(東京女子医大), 橋本 拓造(東京女子医大), 廣澤 知一郎(東京女子医大), 小川 真平(東京女子医大), 板橋 道朗(東京女子医大), 亀岡 信悟(東京女子医大)
抄録 【目的】当院にて難治性潰瘍性大腸炎(UC)に対しタクロリムス(TAC)を投与した症例を臨床的寛解群と非寛解群に群別し,TAC投与による効果予測因子の検討を目的とした.【対象と方法】2010年2月~2013年3月までにTACを投与した29例を対象とし,臨床的寛解群24例(男性12例 女性12例),非寛解群5例(男性5例 女性0例)を対象とした.TAC投与は絶食下または食前に行い,通常1回投与量を0.025-0.075 mg/kgとし1日2回投与した.目標血中濃度は投与開始2週間の血中トラフ濃度を10-15ng/mlに設定し,2週間以降のトラフ濃度を5-10ng/mlに調節した.TAC投与前およびTAC血中濃度が目標値に到達した時点での臨床的活動度をLichtiger score(CAI)を用いて評価した.本症例ではすべての症例でTAC投与前CAIが10以上であった.臨床的寛解の定義はTAC投与後4週後のCAIが4以下とした.【結果】TAC導入前の内視鏡像はUCAI,EAIを用いて評価し,臨床背景については性別,年齢,罹患範囲,罹患年数,TAC導入4週間前,2週間前のPSL総投与量,入院時CRP,Hb,TAC投与前CAI,TAC血中濃度が目標値到達時点に達するまでの日数について検討したが,有意差は認めなかった.しかしTAC血中濃度が目標値到達時点でのCAIでは臨床的寛解群(7.0±2.5)と非寛解群(12.6±2.3)では有意差を認めた(p<0.005).入院時のCAIとTAC血中濃度が目標値に到達した時点でのCAI間の平均値の区間推定を比較すると,臨床的寛解群の減少割合は40.1-54.5%,非寛解群は72.1-103.5%であった.【結論】TAC投与前,TAC血中濃度が目標値に到達した時点でのCAI間を比較した減少割合が効果予測因子として重要であると考えた.
索引用語 UC, TAC