セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎7)

タイトル 消P-490:

難治性潰瘍性大腸炎における手術必要性予測因子の検討:便中炎症マーカーの有用性

演者 山本 隆行(四日市社会保険病院・IBDセンター)
共同演者 白木 学(四日市社会保険病院・IBDセンター), 松本 好市(四日市社会保険病院・IBDセンター)
抄録 【目的】難治性潰瘍性大腸炎(UC)の治療においては,薬剤療法の限界を判断して適切な時期に手術を行う必要がある.治療経過中に手術必要性を示唆する客観的なマーカーがあれば有用である.本研究では,難治性UCにおける手術必要性予測因子を検討した.【方法】対象は,最近当院にてステロイド依存性・抵抗性のために免疫調整薬や生物学的製剤の治療を要する中等症・重症のUC患者60人(平均年齢39歳,男性:女性36:24)である.手術が必要となった症例は12例(手術群)で,手術を避けることができた症例は48例(非手術群)であった.手術群と非手術群の間で,治療開始時の臨床背景(年齢,性別,病悩期間,総ステロイド投与量,薬剤療法歴,病変範囲,臨床的・内視鏡的重症度,腸管外合併症など),治療経過中の血液データ(白血球数,血小板数,ヘモグロビン,アルブミン,CRP)や便中炎症マーカー(カルプロテクチン,ラクトフェリン)を比較した.【成績】治療開始時の臨床背景においては,両群間に有意差を認めなかった.治療経過中の白血球数,血小板数,CRP値には有意差を認めなかったが,アルブミン値は治療開始時に手術群で有意に低く治療経過中に減少する率が高かった.また,手術群では治療開始時にヘモグロビン値が有意に低く輸血を要する患者が多かった.便中カルプロテクチンとラクトフェリン値は内視鏡的活動性と有意に相関しており,治療開始時より手術群で有意に高値を示し,非手術群では治療経過中に減少したが手術群では高値が持続した.手術必要性予測因子としての感度と特異度は,便中カルプロテクチンが最も高かった.【結論】難治性UCにおける手術必要性の予測には,便中カルプロテクチンが有用で,手術例では非手術例と比較して有意に高値を示し治療経過中も高値が持続した.また,重症化により内視鏡検査が困難な症例に対して,高度の腸管病変を予測するのに便中マーカーは非侵襲性の有用な検査法である.
索引用語 潰瘍性大腸炎, 便中カルプロテクチン