セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(潰瘍性大腸炎8)
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タイトル |
消P-492:禁煙後の潰瘍性大腸炎発症例における臨床的特徴の検討
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演者 |
樋口 友洋(浜松医大・1内科) |
共同演者 |
山田 貴教(浜松医大・1内科), 岩泉 守哉(浜松医大・1内科), 杉本 光繁(浜松医大・1内科), 大澤 恵(浜松医大・光学医療診療部), 金岡 繁(浜松医大・分子診断学), 古田 隆久(浜松医大・臨床研究管理センター), 杉本 健(浜松医大・1内科) |
抄録 |
【目的】喫煙と潰瘍性大腸炎(UC)の発症について,喫煙者に比べ禁煙者の発症リスクが高いことが報告されているが,禁煙後発症UC患者の臨床的特徴については十分な検討がなされていない.今回,我々は喫煙,禁煙がUCの発症および臨床経過にどのような影響を与えたか検討したので報告する.【方法】当院にて2004年1月から2013年2月まで加療を行ったUC患者161名(男性105名,女性56名,年齢9歳~81歳)を非喫煙患者(A群),禁煙後発症患者(B群),喫煙患者(C群)に分類し,発症年齢,臨床的特徴,治療経過についてretrospectiveに比較検討した.【成績】UC患者161名中A群は86名(54%),B群は52名(32%),C群は23名(14%)であった.UC発症時の平均年齢はA群が32.1±15.7歳,B群が42.9±15.9歳,C群が29.3±10.8歳で,B群が有意に高齢であった.B群において禁煙から発症までの期間は平均7.6±9.3年,中央値3.5年で,禁煙後3年以内の発症が半数を占めた.手術率は3群間に有意差はみられなかったが,手術時の年齢はA群が36.7±13.0歳,B群が62±8.0歳,C群が29.8±12.2歳で,B群が有意に高齢であった.UC発症から手術までの期間は3群間に有意差はみられず,B群において非手術例と手術例でのBrinkman indexには差はみられなかった.死亡例はA群が2例(2.3%),B群が4例(7.7%),C群は0例であった.【結論】禁煙後発症UC患者は非喫煙患者,喫煙患者に比較して発症年齢および手術時の年齢が有意に高かったが,手術率に関しては3群間に差は認められなかった.しかし,禁煙後発症UC患者は他と比較して死亡例が多い傾向にあり注意を要すると思われた. |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, 炎症性腸疾患 |