セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎8) |
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タイトル | 消P-494:当科における潰瘍性大腸炎に対するタクロリムスの使用成績 |
演者 | 岸本 一人(琉球大・1内科) |
共同演者 | 外間 昭(琉球大・1内科), 藤田 次郎(琉球大・1内科), 島袋 耕平(琉球大附属病院・光学医療診療部), 富里 孔太(琉球大附属病院・光学医療診療部), 仲松 元二郎(琉球大附属病院・光学医療診療部), 宮里 公也(琉球大附属病院・光学医療診療部), 大平 哲也(琉球大附属病院・光学医療診療部), 伊良波 淳(琉球大附属病院・光学医療診療部), 武嶋 恵理子(琉球大附属病院・光学医療診療部), 金城 徹(琉球大附属病院・光学医療診療部), 金城 福則(琉球大附属病院・光学医療診療部) |
抄録 | 【目的】H22年4月からH25年3月にかけて当科でタクロリムス(以下TAC)を投与した難治性潰瘍性大腸炎 16例(平均年齢45.2歳(17-67歳).男性10例,女性6例.重症度は重症6例,中等症10例.罹患範囲は全大腸炎10例,左側大腸炎6例.TACの投与理由はステロイド抵抗性10例,ステロイド依存性5例,慢性持続型1例)について,TACの有効性と副作用について検討する.【方法】TACの初期投与量は0.075~0.1mg/kg/日とし,投与開始後2週間は高トラフ,2週間以降は低トラフとなるよう内服量を調節した.高トラフに到達するのに要した日数(n=14)は平均8.2日目(3~18日)であった.副作用(頭痛1例,ほてり1例)のため2例でTAC開始後早期に中断せざるを得なかった.TACの投与期間は原則3ヵ月としたが,2例は6か月以上投与を継続した.また寛解導入後の再燃のため,2例でTACの再投与を行った.【結果】投与前と投与開始2週後でのCAIの推移(n=14)は,投与前の9.4から投与2週間後5.6へ低下を認め(p<0.05),寛解5例(36%),改善3例(21%),不変5例(36%),手術1例(7%)であった.1週間以上の投与の継続が可能であった14例の投与開始12週後の活動性は,寛解9例(64%),不変1例(7%),手術4例(29%)であったが,12週以後の活動性は,寛解4例(29%),再燃3例(21%),手術7例(50%)と寛解維持率は低値であった.長期投与2例の寛解維持率,再燃に対する再投与2例の寛解導入率は,それぞれ50%であった.副作用は投与16例中13例にのべ20件認められ,振戦,ほてりなど軽微なものがほとんどであったが,中止の原因となる頭痛を2例(13%),ほてりを1例(6%)に認めた.【結語】難治性UCのTACによる12週後の寛解導入率は64%と比較的良好であったが,12週以降の寛解維持率は29%と低く,TACの再投与や長期投与なども治療の選択肢の一つとして考慮すべきと思われた. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, タクロリムス |