セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎8)

タイトル 消P-495:

当院での潰瘍性大腸炎における白血球除去療法(LCAP)の検討

演者 磯部 祥(山下病院・消化器科)
共同演者 富田 誠(山下病院・消化器科), 小田 雄一(山下病院・消化器科), 金沢 宏信(山下病院・消化器科), 広瀬 健(山下病院・消化器科), 服部 昌志(山下病院・消化器科), 服部 外志之(山下病院・消化器科), 中澤 三郎(山下病院・消化器科)
抄録 【目的】近年,難治性潰瘍性大腸炎の治療においてインフリキシマブやタクロリムスなどの治療方法が適応となり治療方針が多様化し数多くの報告を認める.以前からあるLCAPも重症例や難治例に主に用いられているが,その安全性や治療成績について多くは報告されていない.今回我々は当院における白血球除去療法(LCAP)の治療成績について検討したので報告する.【対象】当院にて2002年1月から2011年6月までに白血球除去療法(以下,LCAP)を施行した潰瘍性大腸炎は27例(平均年齢46.2歳,男性18例,女性10例)であった.そのうち術後遺残直腸に炎症が再燃した1例を除外した計26例を対象として検討した.【方法】LCAP4~6回施行した群を1クール施行群(14例),LCAP8~11回施行した群を2クール施行群(12例)とし,それぞれの症例についてPartial DAI,Lichtiger CAIを用いて施行前後の変化について検討を行った.Lichtiger CAI4点以下を寛解として寛解導入率とLCAPの安全性についても検討した.【結果】1クール施行群は,LCAP前のPartial DAI平均4.9(3~7),Lichtiger CAI平均9.5(5~18)であった.1クール終了直後のPartial DAI とLichtiger CAIは2.9(0~7)と5.9(0~18)で有意(p<0.05)に改善していた.施行終了3か月後のスコア は2.1(0~4)と3.6(0~8)であり,効果は持続していた.寛解導入率は71.4%(14例中10例)であった.2クール施行群は,LCAP前のPartial DAI平均5.1(1~8),Lichtiger CAI平均9.4(1~16)であった.2クール終了直後のPartial DAI とLichtiger CAIは1.9(0~5)と3.3(0~11)で有意(p<0.05)に改善していた.施行終了3か月後のスコア は2.1(0~7)と3.2(0~11)であり,効果は持続していた.寛解導入率は75.0%(12例中9例)であった.27例中1例のみに薬物アレルギーを認めたが点滴治療にて改善した.【結語】LCAPは潰瘍性大腸炎において安全で有効な治療法の一つであると考えられた.
索引用語 潰瘍性大腸炎, LCAP