セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎8)

タイトル 消P-497:

潰瘍性大腸炎におけるインフリキシマブの効果についての検討

演者 村上 昌(東京医大茨城医療センター・消化器内科)
共同演者 岩本 淳一(東京医大茨城医療センター・消化器内科), 齋藤 吉史(東京医大茨城医療センター・消化器内科), 門馬 匡邦(東京医大茨城医療センター・消化器内科), 小西 直樹(東京医大茨城医療センター・消化器内科), 屋良 昭一郎(東京医大茨城医療センター・消化器内科), 伊藤 真典(東京医大茨城医療センター・消化器内科), 平山 剛(東京医大茨城医療センター・消化器内科), 池上 正(東京医大茨城医療センター・消化器内科), 本多 彰(東京医大茨城医療センター・消化器内科), 松崎 靖司(東京医大茨城医療センター・消化器内科)
抄録 【目的】中等症,重症の潰瘍性大腸炎(UC)の治療として,インフリキシマブ(IFX)やタクロリムスによる治療が保険適応となり治療法の選択肢が広がってきた.当院でもIFXによる寛解導入例が増えており,今回我々はUCにおけるIFXの治療効果について検討した.【方法】2010年12月以降に当院でIFXを導入したUC12例を対象とした.病勢の評価にはRachmilewitz’s clinical activity index(CAI)を用い,寛解をCAI≦4と定義した.【成績】患者背景は男性:女性 9:3,平均年齢44.5±16.2歳,平均罹病期間7.4±5.0年であった.病型分類は全大腸炎型7例,左側大腸炎型4例,直腸炎型1例であった.INF開始時併用治療は,5-ASA製剤は全例,ステロイド9例,白血球除去療法8例,免疫調節剤8例であった.ステロイド投与歴のある症例のうちステロイド依存性は7例,ステロイド抵抗性は4例であった.開始時CAIは11.2±2.0であったが,2週後のCAIは4.8±1.2,6週後のCAIは2.25±1.9と有意差(p-value <0.01)を持って減少し,寛解導入率は82%(10/12例)であった.30週後の経過が追えた症例は9例であった.30週後のCAIは2.71±3.5であり,8例は寛解を維持したが1例は再燃した.平均ステロイド服用量は開始時13.3±10.9mgであったが,6週後5.9±5.1mg,30週後3.9±4.9mgへ減少した.再燃例はタクロリムスを投与し寛解導入した.【結論】IFXはUCに対して高い寛解導入効果を示し,ステロイドの減量・中止も期待し得た.しかし,寛解導入後に再燃する症例もあり,長期の寛解を維持するために更なる検討が必要である.
索引用語 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ