セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎9) |
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タイトル | 消P-499:当院におけるcolitic cancerの臨床的検討 |
演者 | 大仁田 賢(長崎大・消化器内科) |
共同演者 | 藤田 文彦(長崎大大学院・移植・消化器外科学), 竹下 浩明(長崎大・腫瘍外科), 澤井 照光(長崎大・腫瘍外科), 林 徳眞吉(長崎大病院・病理部), 森田 道(長崎市立市民病院・外科), 入江 準二(長崎市立市民病院・病理), 山口 直之(長崎大・消化器内科), 磯本 一(長崎大・消化器内科), 竹島 史直(長崎大・消化器内科), 中尾 一彦(長崎大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】colitic cancerは潰瘍性大腸炎(以下UC)やCrohn病(以下CD)などの炎症性腸疾患を背景に発生する.今回,当院におけるcolitic cancerの臨床的検討を行った.【方法】対象はUC13例,CD7例で臨床的特徴や病変の肉眼型,組織型などを検討した.【成績】UC:男性9例,女性4例,平均年齢47歳(29-71歳),UC発症平均年齢30歳(13-62歳),平均罹病期間18年(0-29年).病型は全大腸炎型11例,左側大腸炎型1例,直腸炎型1例であった.組織型では癌が10例でそのうち5例に低分化成分を認め,dysplasiaが3例であった.病変は多発していた1例で横行結腸や盲腸にも病変を認めたがその他はすべて直腸から下行結腸に病変を認めた.手術施行12例の深達度はM:6例,SS:5例,SE:1例,Stageは0:3例,II:3例,IIIb:2例,IV:2例であった.CD:男性6例,女性1例,平均年齢42歳(34-59歳),CD発症平均年齢20歳(10-35歳),平均罹病期間22年(14-39年).病型は小腸大腸型6例,小腸型1例であった.病変は直腸肛門部6例,回腸1例で,直腸肛門部の病変はいずれも痔瘻由来と思われた.組織型は高分化腺癌2例,中分化腺癌1例,粘液癌3例,印鑑細胞癌1例であった.深達度はM:1例,A:2例,AI:1例,SS:1例で手術未施行の2例もA以深と思われた.Stageは0:1例,II:2例,IIIa:2例,IV:2例であった.深達度Mの1例は内視鏡的に癌を指摘できなかったがCS時にスコープに付着した組織片を病理検査に提出した結果判明し,小腸病変の1例も狭窄に対し切除した際,癌が判明した.【結論】UC,CDとも罹病期間が長いものに多く,通常大腸癌に比べ若年発症で,組織型も未分化型のものを多く認めた.CDにおいては痔瘻合併が多く,内視鏡的に病変の早期発見が困難でMRIなどを併用してサーベイランスしていく必要があると思われた. |
索引用語 | colitic cancer, 炎症性腸疾患 |