セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎9) |
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タイトル | 消P-501:当院で入院加療を要した難治性潰瘍性大腸炎症例についての検討 |
演者 | 平山 裕(名古屋大大学院・消化器内科学) |
共同演者 | 安藤 貴文(名古屋大大学院・消化器内科学), 石黒 和博(名古屋大大学院・消化器内科学), 前田 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 渡辺 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 氏原 正樹(名古屋大大学院・消化器内科学), 前田 啓子(名古屋大大学院・消化器内科学), 森瀬 和宏(名古屋大大学院・消化器内科学), 松下 正伸(名古屋大大学院・消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大大学院・消化器内科学), 中村 正直(名古屋大大学院・消化器内科学), 宮原 良二(名古屋大大学院・消化器内科学), 大宮 直木(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大大学院・消化器内科学) |
抄録 | 【背景】潰瘍性大腸炎(UC)の内科治療の進歩にもかかわらず,重症・難治例では依然手術適応・決定に苦慮する場合も少なくない.【方法・目的】2004年1月より2012年12月まで増悪にて当科へ入院を要した難治性UC193症例(男性114例,女性79例)を対象とし,臨床背景,治療経過・転帰,内視鏡所見,手術・緊急手術・術後合併症の危険因子について解析を行った.【結果】患者背景は,発症時年齢:28.7±13.2歳,罹病期間:7.2±6.8年,入院回数:2.1±1.4回,病変:全大腸炎142例(73.6%),左側結腸炎48例(24.9%),直腸炎3例(1.6%),経過:再燃寛解146例(75.6%),慢性持続34例(17.6%),初回発作・急性劇症13例(6.7%)であった.治療歴として3カ月以上のステロイド使用167例(86.5%),免疫調節薬114例(59.1%),CAP療法136例(68.4%),インフリキシマブ10例(5.2%)であった.内視鏡所見(Mayo scoreで評価)は,平均2.14であった.外科手術に至る例は71例(36.8%)で,緊急手術例は15例,待機手術例は56例(癌・dysplasiaは11例)であった.緊急手術に対する危険因子に関しては罹病期間≦1年:OR7.3(1.44-37.01),初回発作・劇症型:OR18.2(5.06-65.36)が有意なものであった.また術後合併症は腹腔内膿瘍14例,腸閉塞12例であった.緊急手術(A群n=15)と待機手術(B群n=56)間で合併症の発生に有意差は認めなかった.術後合併症の危険因子は,A群に有意なものを認めなかったが,B群では発症年齢が20歳以下:OR4.42(1.04-18.22),罹病期間≧7年:OR9.40(2.08-41.58),術前ステロイド使用量≧200mg/week:OR10.36(1.10-97.69)が有意であった.【結論】発症年齢が20歳以下,罹病期間が7年を超える,ステロイド量≧200mg/weekの症例では注意深い管理が必要である可能性が示唆された.また発症1年以内の症例や初回発作型に関しても緊急手術の観点から注意深いフォローが必要である可能性が示唆された. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 内科的治療 |