セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎10)

タイトル 消P-506:

当院における潰瘍性大腸炎に対するinfliximabの治療成績

演者 鈴木 博貴(豊橋市民病院・消化器内科)
共同演者 山田 雅弘(豊橋市民病院・消化器内科), 浦野 文博(豊橋市民病院・消化器内科), 藤田 基和(豊橋市民病院・消化器内科), 内藤 岳人(豊橋市民病院・消化器内科), 山本 英子(豊橋市民病院・消化器内科), 松原 浩(豊橋市民病院・消化器内科), 竹山 友章(豊橋市民病院・消化器内科), 田中 浩敬(豊橋市民病院・消化器内科), 田中 卓(豊橋市民病院・消化器内科), 廣瀬 崇(豊橋市民病院・消化器内科), 芳川 昌功(豊橋市民病院・消化器内科), 岡村 正造(豊橋市民病院・消化器内科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎に対するinfliximab(IFX)の使用は2010年6月に保険承認されたが,寛解導入効果や長期治療成績に関する報告はまだ少ない.当院においてIFXを投与したステロイド抵抗性・依存性の難治性潰瘍性大腸炎の治療成績を報告する.【方法】対象は2010年6月より2013年2月までにIFXを投与した17例.平均年齢45.5歳,男9例,女8例.病型は全大腸炎型12例,左側大腸炎型4例,直腸炎型1例.IFX導入以前の治療は,5ASAとPSLが全例に投与された.CAP 9例,IM 8例,TAC 9例,CyA 2例,ATM 1例であった(重複を含む).ステロイド抵抗性が13例,依存性が4例.IFXを0,2,6週で導入し6週時点での短期成績をCAI score,CRPで評価した.長期成績は,IFX導入後1年以上経過した8例についてCAI score,CRPで評価.平均観察期間は23.4ヶ月.なおCAI scoreが4点以下を寛解とし,CAI scoreが低下した場合は有効,CAI scoreが不変または増悪した場合を無効とした.【成績】短期成績:6週時点でのCAI scoreは平均6.5→3.5,CRPは平均1.62→0.68に低下.寛解導入は17例中7例(男3例,女4例)で認められた.有効は4例(男2例,女2例)であった.無効例は6例(男4例,女2例)あり,そのうち3例が手術を行った.副作用は発疹・咽頭痛が1例,間質性肺炎が1例.長期成績:1年後のCAI scoreは平均0.25点,CRPは平均0.14であった.6週時点で寛解導入に至った症例は1年後も寛解維持していたが,1例に効果減弱がみられた.寛解維持に成功した2例に対して投与開始1年後にIFXを中止したところ,1例に再燃を認めた.6週時に有効であった4例は6週以降に寛解導入に成功し投与継続している.【結論】6週後の寛解導入成功は41%,有効を含めると64%.6週後にCAI scoreの低下がみられれば6週以降に寛解導入に成功している.6週後のCAI scoreの低下が寛解導入の判断,また長期治療成績を予測する上で重要である.
索引用語 潰瘍性大腸炎, infliximab