セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎10)

タイトル 消P-507:

IBD症例における血流感染症の検討

演者 芝田 渉(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER横浜市立大・消化器内科)
共同演者 国崎 玲子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 曾原 雅子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER横浜市立大・消化器内科), 呉 蓉榕(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER横浜市立大・消化器内科), 岩佐 美穂(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER横浜市立大・消化器内科), 中畑 仁美(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER横浜市立大・消化器内科), 山口 唯史(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER横浜市立大・消化器内科), 松本 大海(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER横浜市立大・消化器内科), 岡田 真央(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER横浜市立大・消化器内科), 谷口 賢新郎(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER横浜市立大・消化器内科), 林 亜葵(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER横浜市立大・消化器内科), 稲沢 真(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER横浜市立大・消化器内科), 稲垣 尚子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 佐々木 智彦(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 高 蓮浩(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER広島大病院・消化器外科), 木村 英明(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 大河原 愛(横浜市立大市民総合医療センター・臨床検査部), 宮島 栄治(横浜市立大市民総合医療センター・臨床検査部), 大毛 宏喜(広島大病院・消化器外科), 前田 愼(横浜市立大・消化器内科)
抄録 【背景】炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease; IBD)患者はしばしば中心静脈カテーテル(central venous catheter;CVC)の使用を余儀なくされる.日和見感染症の危険を伴うIBDでは,血流感染症(bloodstream infections; BSI)の発症が懸念されるため,今回その実態を明らかにする.【方法】2007年~2012年に,当科で薬物または手術治療を受けたIBD症例を対象とした.38度以上の発熱を認めた全例に,血液培養検査と血中βDグルカン値を測定,CVC感染が疑われる症例では,カテーテル抜去とともにカテ先培養を施行した.BSIの起因菌と頻度,予後を検討した.【結果】対象のIBD患者1224(UC 890,CD 334)例に対し,血液培養は225例,のべ345件施行された.このうち血液またはカテ先培養陽性117件(33.9%)をBSIと診断した.培養陽性例で35菌種が検出された.主な内訳はCNS(MRSE)が50件(42.7%)と最も多く,次いでMRSA16件(13.7%),MSSA14件(12.0%)であった.腸内グラム陰性桿菌は8件(6.8%)であった.血液培養検査実施例中,血中βDグルカン値陽性であったのは22例(9.8%)で,培養検査でカンジダ属が分離されたのは10例(C.albicans 3株,non-albicans 7株)であった.BSIの全例が,CVCを抜去し保存的に軽快し,感染症による死亡例は認めなかった.【結語】発熱を主訴に血液培養施行したIBD症例における血液培養陽性率は3割超と高率であった.このうち7割弱をブドウ球菌属が占めており,カテーテル関連血流感染が中心であった.IBD症例ではbacterial translocationが懸念されるが,腸内細菌由来の分離菌検出頻度は低率で,CVC抜去が治療として有効であった.
索引用語 炎症性腸疾患, 血流感染