セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(腫瘍1) |
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タイトル | 消P-509:Stage4大腸癌における予後予測因子としてのCRPの有用性 |
演者 | 渋谷 雅常(大阪市立大・腫瘍外科) |
共同演者 | 前田 清(大阪市立大・腫瘍外科), 永原 央(大阪市立大・腫瘍外科), 野田 英児(大阪市立大・腫瘍外科), 大谷 博(大阪市立大・腫瘍外科), 菅野 兼史(大阪市立大・腫瘍外科), 瀧井 麻美子(大阪市立大・腫瘍外科), 木村 健二郎(大阪市立大・腫瘍外科), 豊川 貴弘(大阪市立大・腫瘍外科), 天野 良亮(大阪市立大・腫瘍外科), 久保 尚士(大阪市立大・腫瘍外科), 田中 浩明(大阪市立大・腫瘍外科), 六車 一哉(大阪市立大・腫瘍外科), 井上 透(大阪市立総合医療センター・消化器外科), 西口 幸雄(大阪市立総合医療センター・消化器外科), 大平 雅一(大阪市立大・腫瘍外科), 池原 照幸(大阪市立総合医療センター・消化器外科), 平川 弘聖(大阪市立大・腫瘍外科) |
抄録 | 【目的】近年,C-reactive protein(CRP)値が種々の固形癌で予後の指標として有用であることが報告されている.今回われわれはStage4大腸癌症例に関して術前CRP値の予後因子としての有用性を検討するとともに,その他の様々な因子を解析し予後との相関を検討した.【対象】2002年から2011年までに当科で手術を施行したstage4大腸癌のうち術前CRP値が判明している144例を対象とした.ただし,術前化学療法を施行した症例および穿孔症例は除外した.【方法】術前CRP値が1.0mg/dl未満を低値群(n=91),1.0mg/dl以上を高値群(n=53)に分類し,臨床病理学的因子や予後との相関を検討した.【結果】CRP値別の2年生存率(生存期間中央値)はそれぞれ低値群:53.1%(29.0カ月),高値群:41.7%(18.1カ月)であった.術前CRP値と臨床病理学的因子との相関について検討したところ,肝転移,腫瘍径(5cm以上),低アルブミン血症(3.5g/dl未満)と相関を認めるのみであった.予後の検討では,単変量解析を行ったところ,CRP値,非治癒因子数,FOLFOXやFOLFIRIなどのintensiveな化学療法の施行回数,conversion therapy,リンパ節転移,リンパ管侵襲,組織型,アルブミン値などが有意に予後と相関しており,年齢,性別,腫瘍径,深達度,静脈侵襲,肝転移,腹膜播種,遠隔転移,原発巣切除,術前CEA値などは予後との相関が認められなかった.さらに多変量解析を行ったところ,CRP値,非治癒因子数,FOLFOXやFOLFIRIなどの化学療法の施行回数,conversion therapy,組織型,リンパ管侵襲などが独立した予後因子であった.【結論】Stage4大腸癌における術前CRP値は独立予後因子であり,予後予測因子として有用である可能性が示唆された. |
索引用語 | 大腸癌, CRP |