セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(腫瘍2)

タイトル 消P-514:

大腸SM癌の取り扱い,追加外科切除例と外科切除例

演者 森 義之(山梨大・1外科)
共同演者 飯野 弥(山梨大・1外科), 須藤 誠(山梨大・1外科), 柴 修吾(山梨大・1外科), 藤井 秀樹(山梨大・1外科)
抄録 【目的】内視鏡的切除したpSM癌に対する追加切除の適応を検討.【方法】当院内科で内視鏡的切除後,大腸癌治療ガイドラインに沿い外科的追加切除施行したpSM癌と,初回外科的切除したpSM癌の臨床病理学的所見と経過を検討.また,大腸癌先進部における低分化胞巣の意義を検討.【対象】1989年から2012年12月に,当院内科で大腸ポリペクトミー(以下ポリペク)後当科で外科的追加切除を施行した34例(結腸27例,直腸7例)(以下P群).男性27例,女性7例.平均年齢63歳.2001年1月から2012年12月に初回外科切除した単発pSM癌54例(結腸癌31例,直腸癌23例)(以下S群).男性28例,女性26例.平均年齢66歳.【結果】P群では,肉眼型はIsが5例,Ispが12例,Ipが12例,IIaが3例,IIa+IIcが2例.腫瘍径は平均17.3mm(5-30mm).8例が分割切除.追加切除因子は,浸潤距離1000μm以上が23例,垂直断端陽性が10例,水平断端陽性が4例,リンパ管侵襲陽性が6例,静脈侵襲陽性が6例,粘液癌が2例(重複あり).追加切除標本に癌遺残を認めたのは,ポリペク適応症例2例と適応外症例2例.リンパ節転移陽性は,ポリペク適応症例,適応外症例各1例に各1個(全476個郭清).再発は認めていない.S群で,リンパ節転移陽性は,結腸癌では2例(6.5%)で各1個(平均15個郭清),直腸癌では5例(22%)で6個(平均10個郭清).結腸癌の1例に同時性肝転移あり.直腸癌の5例中4例が0-IIa+IIc.直腸癌の2例に再発あり. 2001年から2005年のpSM癌14例で腫瘍先進部での低分化胞巣の発現を調べ,発現を認めたのは2例(2個と4個),リンパ節転移や再発との相関はない.2001年から2012年に外科的切除したpM癌は29例,cSMが18例,cMで腫瘍径が大きいのが10例.【考察】今回の検討では,大腸癌治療ガイドラインの追加切除基準は妥当で,危険因子は抽出できなかった.直腸癌で0-IIa+IIcは高率にリンパ節転移を認め追加切除は必須.診断能の向上やESDにより手術不要となる症例がある.
索引用語 大腸SM癌, 外科的追加切除