セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(腫瘍2)

タイトル 消P-517:

超高齢者(80歳以上)大腸癌手術症例の検討

演者 村田 幸平(市立吹田市民病院・外科)
共同演者 岡村 修(市立吹田市民病院・外科), 和田 佑馬(市立吹田市民病院・外科), 加藤 亮(市立吹田市民病院・外科), 牧野 俊一郎(市立吹田市民病院・外科), 西垣 貴彦(市立吹田市民病院・外科), 大和田 善之(市立吹田市民病院・外科), 岡田 一幸(市立吹田市民病院・外科), 福地 成晃(市立吹田市民病院・外科), 戎井 力(市立吹田市民病院・外科), 衣田 誠克(市立吹田市民病院・外科)
抄録 【目的】80歳以上のいわゆる超高齢者大腸癌症例は,術前の合併症に加えて,PSが悪く,認知症を合併していることもあり,手術が患者に利益をもたらすかどうかの判断が難しい場合も多い.しかしながら80歳日本人の平均余命は約10年であり,症状のない大腸癌であっても,放置すれば狭窄,出血等でQOLが低下する可能性が高い.当科にて施行された超高齢者大腸癌手術症例について検討したので報告する.【対象】2005年11月から2011年11月までの6年間に当科にて手術を施行された大腸癌450例のうち,超高齢者(80歳以上)88例を対象とした.【結果】男性43例,女性45例.年齢は中央値83(80―93)歳.手術時間は中央値216(113-462)分,出血量は中央値40(10―600)g.進行度はStage 0:I:II:IIIa:IIIb:IVがそれぞれ2:17:34:14:12:9 例.腹腔鏡が70例(うち術中開腹移行が6例),開腹が18例であった.郭清度はD1:D2:D3がそれぞれ3:24:61例.Stage4を除く79例全てで根治度はAであった.発見契機としては貧血,便潜血陽性が最も多くそれぞれ19例(22%)であった.術前併存疾患は高血圧が31例(35%)と最も多く,術後合併症はSSI 10例,イレウス4例,尿路感染4例,肺炎による在院死が1例あった.術後経口摂取までの日数は中央値3日(2-9).術後在院日数は中央値14(8-110)日で,4例が術前は在宅であったが,嚥下機能の低下や認知症の進行等で退院後療養型病院または老健施設に転院となった.【結語】腹腔鏡手術は安全に施行可能であり,早期の離床や経口摂取によりADL低下を最小限に抑えることができる可能性がある.施設への転院をできる限り少なくし,自宅への退院を目指して,術前から家族へ十分な説明をする必要があると考えられた.
索引用語 高齢者, 大腸癌