セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(腫瘍2)

タイトル 消P-519:

消化管カルチノイド腫瘍の悪性度の検討

演者 倉富 夏彦(山梨県立中央病院・消化器内科)
共同演者 廣瀬 純穂(山梨県立中央病院・消化器内科), 小嶋 裕一郎(山梨県立中央病院・消化器内科), 石田 泰章(山梨県立中央病院・消化器内科), 久野 徹(山梨県立中央病院・消化器内科), 川上 智(山梨県立中央病院・消化器内科), 深澤 佳満(山梨県立中央病院・消化器内科), 岩本 史光(山梨県立中央病院・消化器内科), 細田 健司(山梨県立中央病院・消化器内科), 鈴木 洋司(山梨県立中央病院・消化器内科), 望月 仁(山梨県立中央病院・消化器内科), 小山 敏雄(山梨県立中央病院・病理), 小俣 政男(山梨県立中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】消化管カルチノイドの全貌を解明し,悪性度の評価を行う.【方法】2003年1月~2013年3月に,病理診断にて消化管カルチノイド腫瘍と確定診断し得た53症例を対象とした.さらにESDで収集したparaffin blockを,ArcturusXT LCM Systemにて核酸を抽出し,DNAのQualityをViiA7 Realtime PCR Systemにて検討し,Ion AmpliSeq Comprehensive Cancer Panelで約46の遺伝子をターゲットとする検索をIon PGM Sequencerで行った.【結果】男35例,女18例,年齢は中央値59歳(34-83)であった.部位別では直腸:35例(67.3%),十二指腸:10例(19.2%),胃:4例(7.7%),盲腸:3例(5.8%),S状結腸:1例(1.9%)の順で,平均腫瘍径は8.9(2-30),このうち30mmの1例は肝・骨転移を認め,2例(8mm,20mm)にはリンパ節転移を伴っていた.29例に内視鏡的治療(ESD:24例,EMR:6例),15例が外科的切除を施行されていた.ESDの2例(10%)は断端陽性で外科的追加切除が施行されていた.内視鏡的治療の平均腫瘍径は7.1mm(2-12),外科的切除の平均腫瘍径は11.7mm(3.5-30)であった.また,12例(23.0%)に他癌との合併が認められていた.内訳は胃癌:8例,大腸癌:2例,肺癌:1例,腎癌:1例で消化管癌が多く,癌切除の際に同時にカルチノイドが認められた症例もあった.【結論】消化管カルチノイドは早期から転移を有する例もあり,他癌との合併が多く注意が必要である.また,消化管カルチノイドのゲノム解析では,癌部および非癌部にバリアントを検出しており,現在症例蓄積中である.
索引用語 消化管カルチノイド, ESD