セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(腫瘍3)

タイトル 消P-522:

虫垂原発goblet cell carcinoidの悪性度について~大腸原発腺癌に含まれる印環細胞成分との比較検討~

演者 西村 綾子(京都府立医大・人体病理学)
共同演者 岸本 光夫(京都府立医大・人体病理学), 柳澤 昭夫(京都府立医大・人体病理学)
抄録 【背景と目的】虫垂原発goblet cell carcinoid(GCC)は,杯細胞の形態を示す腫瘍細胞が胞巣を形成する典型像だけでなく,通常の腺癌に似た組織像(印環細胞様または管状腺癌様成分)が混在することが多い.しかし,印環細胞癌を主成分または副成分とする大腸原発腺癌との悪性度の違いについて検討した報告は今までにない.今回,虫垂原発GCCの各成分と大腸原発腺癌内の印環細胞成分(SIG)の増殖活性を比較し,悪性度の違いを検討した.【対象】GCC10例(神経内分泌マーカー:chromogranin A, synaptophysin, CD56のいずれかに陽性),SIG16例(神経内分泌マーカーにいずれも陰性).【方法】GCC症例でみられる典型像(type A),印環細胞様(type B),管状腺癌様(type C)の各成分についてMIB-1 labeling index(LI)を算出し,SIG症例のMIB-1 LIと比較した.【結果】MIB-1 LIの平均値はGCC type A成分:12.0%, type B成分:17.5%, type C成分:33.4%, SIG: 62.5%であり,各々の間で有意差がみられた.【考察】MIB-1 LIは,GCC群のいずれのtypeと比較してもSIG群が有意に高かったことから,両群における腫瘍細胞の増殖活性の違いが示され,SIGはGCCよりも悪性度が高い腫瘍であると考察された.
索引用語 goblet cell carcinoid, signet ring cell