セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(腫瘍3)

タイトル 消P-524:

colitic cancerとmicroRNAの発現

演者 中川 義仁(藤田保健衛生大・消化管内科)
共同演者 赤尾 幸博(岐阜大大学院連合創薬医療情報研究科・創薬科学), 釜谷 明美(藤田保健衛生大・消化管内科), 丸山 尚子(藤田保健衛生大・消化管内科), 長坂 光夫(藤田保健衛生大・消化管内科), 鎌野 俊彰(藤田保健衛生大・消化管内科), 小村 成臣(藤田保健衛生大・消化管内科), 生野 浩和(藤田保健衛生大・消化管内科), 大森 崇史(藤田保健衛生大・消化管内科), 城代 康貴(藤田保健衛生大・消化管内科), 市川 裕一朗(藤田保健衛生大・消化管内科), 米村 穣(藤田保健衛生大・消化管内科), 大久保 正明(藤田保健衛生大・消化管内科), 田原 智満(藤田保健衛生大・消化管内科), 石塚 隆充(藤田保健衛生大・消化管内科), 柴田 知行(藤田保健衛生大・消化管内科), 中井 遥(藤田保健衛生大・消化管内科), 河村 知彦(藤田保健衛生大・消化管内科), 平田 一郎(藤田保健衛生大・消化管内科)
抄録 【目的】microRNA (miRNA)は22-25ヌクレオチドの小さな機能性RNAで,標的となるmRNAと結合して翻訳調節をすることから,その破綻は疾患と深く関連する.我々はこれまでに家族性大腸腺腫症(FAP)においてmiR-143, -145が共に高率に発現低下することを見出し報告してきた.今回我々は,colitic cancerにおけるmiR-143, -145の発現とmiR-21の発現について臨床検体を用いて解析し,FAPと比較検討したので報告する.【方法】colitic cancer 6症例10腫瘍検体とFAP 6症例21腫瘍検体を用いてmiR-143, -145, -21の発現を調べ比較検討した.【成績】miR-143, -145はcolitic cancer 7例(70.0%),FAP 18例(85.7%)で発現が低下し,miR-21はcolitic cancer 8例(80.0%),FAP 6例 (28.6%)で発現が増加していた.miR-21の発現増加は有意差をもってcolitic cancer で多かった.miR-143, -145の発現には有意差が見られなかった.【結論】colitic cancerもFAPもmiR-143, -145は高頻度に低発現を示し,miR-21はcolitic cancerにおいてのみ高頻度に発現が増加していた.miR-143, -145の発現低下は,大腸の腫瘍化に関与することが示唆された.一方,colitic cancerにおいてはmiR-21の発現増加が重要な役割を果たしていることが示唆された.以上の結果はcolitic cancerのスクリーニングに有効なmiRNAの存在を示唆するものである.
索引用語 microRNA, colitic cancer