セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(腫瘍3)

タイトル 消P-525:

SM浸潤度1000μm以上の大腸SM癌における脈管侵襲陰性症例と陽性症例の比較検討

演者 窪田 学(国保旭中央病院・消化器内科)
共同演者 吉田 裕(国保旭中央病院・臨床病理科), 紫村 治久(国保旭中央病院・消化器内科), 志村 謙次(国保旭中央病院・消化器内科), 鈴木 良夫(国保旭中央病院・臨床病理科)
抄録 [目的] 大腸癌治療ガイドラインで内視鏡的治療後の追加治療の適応基準の一つであるSM浸潤度1000μm以上の妥当性を,当院で経験したデーターをもとに脈管侵襲陰性症例と陽性症例の比較で検証する.[方法]2006年4月から7年間で当院において治療した全SM癌168例(A手術症例88例,B内視鏡治療後追加手術症例24例,C内視鏡治療後経過観察となった症例56例)のうち,SM浸潤度1000μm以上の管状腺癌,簇出G1で脈管侵襲陰性症例30例(A12例B8例C10例)と脈管侵襲陽性症例33例(A26例B6例C1例)のリンパ節転移の有無又は経過観察中の再発の有無を検討した.[成績]脈管侵襲陰性A12例,浸潤度(1000μm~3例2000μm~2例3000μm~2例4000μm~1例5000μm~1例6000μm~1例7000μm~0例8000μm~1例9000μm~1例)全てリンパ節転移なし.脈管侵襲陽性A26例,浸潤度(1000μm~3例2000μm~2例3000μm~6例4000μm~6例5000μm~4例6000μm~0例7000μm~2例8000μm~3例9000μm~0例)リンパ節転移5例あり.脈管侵襲陰性B8例,浸潤度(1000μm~3例2000μm~1例3000μm~1例4000μm~1例5000μm~0例6000μm~1例7000μm~0例8000μm~1例9000μm~0例)全てリンパ節転移なし.脈管侵襲陽性B6例,浸潤度(1000μm~2例2000μm~2例3000~4999μm0例5000μm~1例6000~8999μm0例9000μm~1例)全てリンパ節転移なし.脈管侵襲陰性C10例,浸潤度(1000μm~6例2000μm~3例3000μm~0例4000μm~1例5000μm~0例)慎重な経過観察中再発を認めた症例なし(平均観察期間41.4カ月).脈管侵襲陽性C1例,浸潤度2500μm観察期間60カ月にて再発なし.【結果と考察】SM浸潤度1000μm以上の脈管侵襲陽性症例は5例リンパ節転移があったが,陰性症例は全てリンパ節転移がなく,経過観察されている症例にも現在のところ再発所見は認めなかった.今後多施設でさらなる検討の上,SM浸潤距離の適応基準の拡大が可能と考えられた.
索引用語 大腸癌, SM浸潤度1000μm以上